15ツインパワーSW4000XGの後任として購入したのが20ステラSW4000XGです。
無印4000番とSW5000番の中間のリールとして、様々な用途に駆り出されています。
もうすぐ購入から4年になるため、このタイミングでインプレその2です。
SHIMANO 20 STELLA SW SW 4000XG
ギア比 6.2
実用ドラグ力/最大ドラグ力(kg) 7/11
自重(g) 355
スプール寸法(径mm/ストロークmm) 52/19
最大巻上長(cm/ハンドル1回転) 101
ハンドル長(mm) 60
ベアリング数BB/ローラー 12/1
4000番のローターに5000番のボディを持つ、中間のサイズ感のリールです。
当初あったコツコツ感は使用している内に軽減してきました。(完全には消えてませんがw)
汎用性の高い番手で、スプール互換の高さから、PE1.5号、1.2号、1.0号をタックルに合わせて使い分けています。
ハンドルはデフォルトのCi4+ラウンドノブが大きすぎるのでややサイズダウンのリブレ EP44を装着しています。
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インプレその1はこちら。
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仕様
ボディは5000番でローターが4000番という仕様上、ステラSWたる要素はボディ側に凝縮されています。
ローターより上は実質無印4000番の要素が多めです。
ボディ
フルアルミニウムボディが採用されています。
20ツインパワー以降、ハイブリッドアルミボディが主流になったため、4000番としては唯一のフルアルミボディのリールとなりました。
更に5000番の大型のボディが採用されているため、巻き上げパワーは無印より高く感じられます。
左18ステラ4000 右20ステラSW4000
ローターより上のサイズ感は同じですが、ボディサイズが異なります。
左20ステラSW5000 右20ステラSW4000
ボディサイズが同じですが、ローターより上の大きさが異なります。
Xシップ
現在ではシマノの標準テクノロジーになりつつあるテクノロジーです。
ピニオンギヤのベアリング2点サポートとのこと。
インフィニティドライブ
Xシップのピニオンギヤとベアリングの間に特殊低摩擦ブッシュを追加した、という仕様です。
巻き上げ力の向上に貢献しています。
サイレントドライブ
ワッシャの形状を変更し遊びをなくし、がたつきを押さえた構造のことらしいです。
ハンドルがたの軽減などに貢献しています。
ローター
アルミニウムローターのXリジットローターが採用されています。
こちらもスカート付近は樹脂パーツでカバーされ若干の軽量化がなされています。
ギア
超々ジュラルミンのHAGANEギアが採用されています。
ギア強度に関しても5000番クラスのサイズのため、無印よりも増していると予想できます。
ラインローラー
ラインローラーにもXプロテクトが採用されています。
ただ、明らかに5000番や8000番とは異なる構造で、実質無印のXプロテクトラインローラーと同等な感じです。
ドラグ
5000番以上とは仕様が異なっており、ヒートシングドラグやXタフドラグなどのステラSWのテクノロジーは採用されていません。
ワッシャーはカーボンワッシャーになっています。
そのため、ドラグ機能に関しては実質無印と大差がありません。
カーボンワッシャーが採用されている、という部分くらいでしょう。
スプール
ロングストロークスプールが採用されています。
無印4000番とスプール互換があるため、替えスプールはコストを抑えることが可能です。
これはかなり大きな利点で、ラインの使い分けが容易にできます。
XR系のスプールを調達することでコストを抑えることもできます。
(ベアリングに拘らなければストラディックやヴァンフォードもあり。)
15ツインパワーSW4000XGや14ステラ4000番の細身のロングストロークスプールにも対応しています。
更には、C5000のスプールにも対応しています。
これにより、太糸も巻けるので5000番の範囲もカバーすることが可能です。
20ステラSW C5000XGを組むことができます。
ただし、SW5000スプールはさすがに装着不可。
Xシールド
リールの隙間をパッキンで埋めるXシールドが採用されています。
地味な要素ですが、無印よりも大幅な防水性の向上を実現しています。
Xプロテクト
物理的な構造と特殊グリスで防水性を確保しています。
無印のXプロテクトと異なり、IPX8相当の防水性を吟っています。
使用しなくても水を被るオフショアでは助かる要素です。
使用感
自重
メーカー表記で355gです。
15ツインパワー4000XGが295g、24ツインパワー4000XGで260gと考えると4000番クラスとしては重量級のリールです。
20ステラSW5000XGが420gなので、スペック通り、4000番と5000番の中間のリールと言えるでしょう。
それにより、合わせるロッドも無印4000番相当のものから5000番6000番相当のものまで、幅広く対応します。
ただ、純粋な4000番として使用するには明らかな重量増になります。
明確な目的もって合わせないと無駄に重たいだけのタックルになってしまいます。
ショアで更にフィールドがサーフだったりすると、重量増分のメリットを感じにくく微妙です。
感度
感度は低いリールです。
リール自体が重たく、振動の伝達率なども低いのか、変化や違和感は感じにくいです。
金属ローターと5000番ボディのお陰もあって、あまりリーリングを阻害されにくく、ルアーに生じた変化がわかりにくくなっています。
繊細さを求めるなら軽量系のリールか無印ステラの方が向いています。
操作性
無印4000番と比較するとヘビーで、5000番と比較するとコンパクトな使用感のリールです。
どちらの番手としても扱える汎用性がある一方、5000番にしてはライトすぎて4000番にしては無駄に重い、悪くいうと中途半端なリールです。
このリールがど真ん中になりそうなのはショアだと磯ヒラスズキ、オフショアだとライトジギングでしょう。
PE1.5号くらいの運用が丁度よい感じです。
突き詰めていけばよりライトなセッティングになるか、よりパワーを求めるかで分岐するため、それまでのタックル見極めまでの繋ぎとしては便利です。
リールパワー
良くも悪くも4000番と5000番の中間です。
ただ、ショアなのかオフショアなのかで話が変わってきます。
ショアに関しては、実際にリールパワーの有無がものを言うシチュエーションはほとんどないと思います。
ルアー操作に関してはオフショアとは違いキャストできるルアー重量に限界があり、ファイトに関しては、明らかにリールパワーの優先度は他の強度よりも低いからです。
フック強度、リーダー強度、メインライン強度、ロッドパワーと順に優先度が低くなり、それらを考慮した上での適性なドラグ設定がある状況で最後に試されるのがリールパワーだと感じます。
ラインが細ければリールパワーの有無まで話がいかないという訳です。
ところが、オフショアでは話が変わります。
ファイトではなく、ルアー操作や回収で負荷がかかりパワーが要求されるからです。
オモリグで4000番リールを使う人がいるのと同じ状況です。
どのくらいの水深で釣りをするのかでリールにかかる負荷が大きく異なります。
同じルアー操作でも水深で使用するルアー重量が変わるため、リールにかかる負荷も全く変わってきます。
その場合、無印4000番とは大きな差となるため、オフショアに限ればSW4000のメリットは非常に大きなものとなります。
5000番では大袈裟すぎる、ライトジギングなどのオフショアライトゲームではSW4000に部があります。
なのでショアで大物を想定して無印4000番からSW4000番への変更はメリットよりもデメリットが大きくなる可能性が高いです。
少なくとも、ファイトに関して楽になる要素はあまり無い気がします。
汎用性
4000番と5000番の中間のため、どちらの使用にも適応する高い汎用性があります。
ヒラスズキ
筆者のメインの使用はヒラスズキロッドのスーパーティーロ エサゴナーレと合わせる使い方です。
その場合のPEは1.5号を巻きます。
筆者は磯ヒラはしませんので、このタックルは飛距離が大事なサーフでのナブラ撃ち(その場合はPE1.2号)や、磯でのショアプラッキングのライトタックルとしての利用です。
無印よりも巻き上げパワーが高く、5000番を装着した時のように大袈裟にならないため、ベストマッチな組み合わせになります。
ライトジギング
タチウオジギングなどのライトジギングでの起用です。
その場合のPEは1.0号。
無印との最大の違いはリールパワーよりもギアの耐久力と防水性能です。
移動中に海水をバシャバシャ浴びることになるため、無印4000番だと場所が悪いと浸水してベアリングが錆びてしまいます。
また、水深100mで200gなどを使う状況だとギアが破損します。
ステラSW4000XGだとそれらは回避できますが、単純な巻き上げ力やファイト時のパワーは5000番クラスの方が上です。
オフショアプラッキング
ライトなオフショアプラッキングとも相性が良いです。
シイラやシラスパターンのハマチ狙い等に最適です。
その場合のPEは1.5号。
軽いルアーを投げる必要がある場合はPE細めの方が有利なため、2号タックルよりもこちらを好んで使用しています。
総評
一台で幅広い釣りに使える汎用性の高いリールです。
4000番クラスのサーフの釣りからオフショアキャスティングまで、何でも使えるリールです。
ただ、ど真ん中の使用をある程度想定していないと、中途半端な使用感が災いして出番が減る可能性があります。
結局、より強い5000番かよりライトな無印4000番ばかり使う、といった状況になる可能性を孕んでいます。
総合的に見た場合、4000番ローターに5000番ボディという特徴がこのリールの全てです。
同じ仕様の15ツインパワーSW4000XGと比較した場合、パーツ強度が増して無理ができるようになった、という部分とスプール互換が増えたという部分で勝っています。
なので、15ツインパワーSW4000XGから20ステラSW4000XGへの変更は、目に見えた圧倒的かつ大きな違いはなく、地味な要素での強化が目立ちます。
汎用性が高いため、4000番か5000番で悩んでいる方にはドンピシャで、C5000番よりもワンランクリールパワーを上げたい人にもオススメです。