ルアりずむ

主にソルトウォーターのルアー釣りを嗜んでいます。タックルやルアーのインプレ レビューをメインで綴っていきたいと思います。ちなみにボウズが多いので、そのレベルだとお察しの上、参考にしてくだされば幸いです。

シマノ 19ステラSW 8000HG インプレ

フィッシングショーで発表された時から気になっていたリールです。
このリールから、8000番はローターサイズを下げた新規格となりました。

筆者のジギングのメインリールとして活躍しています。

SHIMANO 19 STELLA SW SW 8000HG

ギア比 5.6
実用ドラグ力(kg) 18
最大ドラグ力(kg) 25
自重(g) 625
スプール寸法(径mm/ストロークmm) 61/22
PE糸巻量(号-m):3-410、4-300、5-250
最大巻上長(cm/ハンドル1回転) 107
ハンドル長(mm) 75
ベアリング数(BB/ローラー) 13/1

それまでの5年周期から18ステラSWという予測が多かったですが、予想を裏切り19年にモデルチェンジしました。

13ステラSW8000HG PE2号でオフショアジギングをしている筆者にとっては、新規格の8000HGはより適したリールとなっています。
5000~6000番クラスの場合、タックル総重量を減らせることにより釣りを終えた後の疲労度は少ないですが、ジャークやファイト中の疲労度は上がってしまいます。

その結果、8000番でPE2号というアンバランスなタックルに行き着いていましたが、その8000番が更にライトになると聞けば飛び付かずにはいられませんでした。

13ステラSWが既に完成度が高いリールだったため、主な比較ポイントは新規格のローターサイズとラインローラーの防水性、インフィニティドライブなどの回転性能です。

ハンドルはリブレのパワー88を装着しています。
www.lurelism.com

仕様

ありとあらゆる全てのパーツに名前がついていた13ステラSWと違って、テクノロジー名は他のリールと共通になりシンプルになりましたw

Xシップ
シマノリールお馴染みのピニオンギヤのベアリング2点サポート仕様です。

インフィニティドライブ
メーカーの説明を読んでいると意味不明なんですが、Xシップのピニオンギヤとベアリングの間に特殊低摩擦ブッシュを追加した、ということでしょうか?

これにより巻き上げの力が増しているとのこと。

サイレントドライブ
端的に言うとワッシャの形状を見直して遊びを無くしてがたつきを押さえた構造、みたいです。

ローター
NEW コンパクトローターということで、従来の8000番よりワンサイズ小さいローターになっています。

 Xリジッドローターは金属ローターのことを指しているようで、このリールはアルミニウムのローターになります。

旧モデルとの最大の違いはローターサイズですが、それ以外にも、樹脂パーツの割合が増えたという点で異なっています。
金属の割合が減っている感じです。

これによりローター自体の軽量化にも成功しています。
金属の割合が減ったことによる剛性の変化はぶっちゃけ筆者には感じとることができませんでした。
なので軽量化という意味では良い変更だといえます。

ボディ
フルアルミニウムボディです。
ボディの歪みが少なく安定した巻き上げが可能になっています。

この辺りは前モデルとの差を感じられません。

ギア
超々ジュラルミンのHAGANEギアです。
ギア強度に関しては特に問題ない感じです。
こちらも前モデルとの違いがわかりませんでした。

ラインローラー

DLCラインローラーが採用されています。
表面に摩擦軽減のための特殊処理がされているそうです。

防水性を高めたXプロテクトラインローラーについては後述。

ドラグ

引き続きXタフドラグが採用されています。金属とカーボンワッシャの組み合わせで耐熱性と耐久性が向上しているようです。

バチバチとステラとわかるドラグ音は健在ですw
根掛かりの時の恥ずかしさは異常です・・・

ヒートシンクドラグは10000番以上なので非対応です。

防水性

オフショアでは必須の項目になります。
出番の有無に関わらず海水を浴びるため、浸水対策は気になるポイントです。

ラインローラー
ラインローラーにもXプロテクトが搭載されています。
これにより防水性が増しています。

ただ、回転性能は13ステラSWより劣るイメージです。
キャタリナのマグシールドラインローラーに近い回転性能になりました。
マグシールドとは構造が違うとはいえ、防水性の向上と引き換えに回転性能が落ちた所は同じなようです。

4年くらい経過していますが、現時点ではラインローラーのベアリングが錆びた形跡はありません。
ただ、回転性能の低下は日ごとに増していき、今では回っていない可能性もあるくらい鈍くなっています。
塩が噛んで回らなくなったのか、理由は定かではありませんが、こうなると防水性が向上したのかどうかは疑わしくなってきます。

逆にこの状態が正常だとする方が問題で、回転しないラインローラーに意義はなく、防水性云々以前の問題になってしまいます。
何のための防水機能かわからなくなります。

20ステラSW5000XGのラインローラーも回ってはいるが鈍いので、それ自体はXプロテクトラインローラーの仕様だとして、回らない状態はどうなのか、塩やゴミが侵入したことによる回転不良だとすると、それはそれで脆弱だといえます。

ゆえに、審議はどうあれラインローラーとしては微妙である、と言わざるを得ません。

負荷がかかりすぎてラインローラーが変形している場合は、完全に筆者の落ち度ですがw

Xシールド
リールの隙間をパッキンで埋めるXシールドは引き続き採用されています。
単純な構造ですが、防水性の向上には大きく貢献しています。

Xプロテクト
こちらも前モデルから引き続きのテクノロジーです。
物理的な構造と特殊グリスで防水性を発揮しています。
これによりIPX8の防水性を確保しているとのこと。

以上のテクノロジーにより、現時点ではボディ部のベアリングが錆びたり内部が浸水した様子はありません。
尤も、前任の13ステラSWもまだ健在なので、19ステラSWの防水性が優れている証明にはならない感じです。

唯一、ラインローラーだけは旧モデルの方が優れているように感じます。

使用感

自重
625gです。
13ステラが675gだったので50gの差があります。
ローターがワンサイズ下がったことで、よりライトなリールに進化しています。

リール重量が下がったことで、1日使った後の疲労度が違います。
タックル総重量を減らすことで体へ蓄積される疲労が軽減できます。
釣りの最中のジャークやファイトだけを切り取れば、ローターがワンサイズ大きい13ステラに部があるように感じます。
しかし、帰ってからの疲労は段違いなので、タックル総重量は下げるメリットは非常に大きく感じます。

巻き心地
相変わらず巻き心地に関しては特段、大したことはありません。
ただ、巻きの軽さは格段に良くなっています。
ローターサイズが下がって巻き出しが軽くなったことに加え、インフィニティドライブのお陰か回転自体が楽になっています。

金属ローターですが、コンパクト化と樹脂パーツ増加の軽量化により、巻き出しの軽さは旧作とは段違いに良くなっています。
なので、ザイオンローターには及ばないまでも、メリハリをつけたジャークもこなせます。

食わせの間を着けた後のワンアクションが楽になったため、その辺りの疲労感も軽減できます。
旧8000には及ばないまでも、金属製ローターによる慣性もしっかり働くため、一度リズムを掴めばその勢いを借りて楽にジャークできる点は同じです。

リールパワー
ローターサイズのコンパクト化を感じさせない巻き上げ力があります。

旧の8000番と比較するとわかりにくいですが、同番手の10000番同士で比較すれば大きな差になっていると思われます。

魚の引きに対して強引にファイトできるのは13ステラの方です。
あちらは単純に重厚なので、感度が鈍く引きのパワーも伝達されにくいのだと思われます。
そのため、ドラグとボディ、ローターが別の動きをしているような感覚になります。
ドラグはバチバチと出ているも、ボディとローターは負荷がかかっているように感じられにくく、余裕があるように錯覚してしまいます。

一方、19ステラだと暴力的な引きはしっかりと感じ、ローターやボディにもしっかりと負荷がかかっているのがわかります。
ただ、一番の違いは、その状態で無理矢理巻いてしまえることです。
明らかに負荷がかかっているのに、巻けます。
悪く言うと、明らかに巻くべき状況じゃなくても巻けるため、リールや魚、フックやラインへの負荷を考えるとあまり良くありません。
パワーファイトはできる、ただし、やるべきはない、という点でそれには向いてないと感じます。

操作性

ほぼオフショアジギングでの使用となります。
同じPE2号でもショアの場合は6000番を使います。

合わせるのは


ジグザム ドラッグフォース JDF621S-4


ジグザム ドラッグフォース JDF631S-2/3
になります。

13ステラと比べるとタックル総重量が減らせるため、釣りが終わってからの疲労度に大きな差が出てきます。

ジグ操作に関しては、こちらのフィールドだと水深は30~100mとまちまち、ジグも60g~200gと場所や状況でかなり違ってきます。
潮の状況次第だと160g~180gがメインになるため、それ故の8000番起用です。

19ステラはローターサイズが下がっていますが、それを感じさせない巻き上げ力があります。
巻きが軽くなっているので、テンポ良くジグをしゃくることができます。
水深100mで200gのジグの状況でもしっかりとしゃくることができるので、この辺りがPE2号タックルで8000番リールを使っているメリットでしょう。

ファイトに関しても、あえて強引に巻くかどうかはともかく、巻きとりの力は強いため楽にこなせるリールです。
こちら、鰤メインで人工漁礁のような障害物もなく、急いで勝負を決める必要もありませんが、人工漁礁やシャローでのヒラマサ狙いなど、一瞬の勝負で結果が決まる状況でもごり巻きファイトができるため有利に働くと思われます。

地味な要素ですが、旧ステラと比較すると感度も向上しています。
重量の軽量化と、ローターの樹脂パーツ増加によりリーリングに違和感が伝わりやすくなっています。
ヒット前の水流の変化を感じ取れるため、食わせの間を作るなりフォールを入れるなり、次の一手を打ちやすくなっています。

総評


新規格になって、より筆者にとって使いやすいリールになりました。
ライトラインを使っても、リールでジャークやファイトの巻きの部分を強化できるため、より楽にジギングを楽しむことができます。

PE2号~4号までのタックルなら、このリールはかなりオススメできます。
コンパクトローターになりましたが、巻き上げ力は旧モデルとほとんど変わらないので、タックル総重量の軽量化により体の負担を減らすことができます。
10000番以上はヒートシンクドラグ、8000番はコンパクトローターと、上手くモデルチェンジできています。