15ツインパワーSWでは重すぎる、12レアニウムだと軽すぎる・・・13バイオマスターは浸水してゴリゴリ・・・
ロッドとのバランスを取るために追加したのがこの15ツインパワー4000XGです。
今年、20ツインパワーがリリースされましたが、だからこそ、今最も15ツインパワーの是非が問われる時ではないでしょうか?
というのも、モデルチェンジに伴い、今なら定価の半額くらいで購入できるチャンスがあるからですw
15ツインパワー4000XG
ギア比:6.2
実用ドラグ力 6.0kg
最大ドラグ力 11.0kg
自重 295g
スプール寸法 51/17mm
最大巻上長(ハンドル1回転あたり) 99cm
ハンドル長 55mm
ベアリング(S A-RB/ローラー) 9/1
15年に発売以降、買うのか買わないのかはっきりしないまま、結局16年に購入に至りましたw
その1年後に17ツインパワーXD4000XGを購入しているので、SWと合わせて4000XGのツインパワー3兄弟をコンプリートすることになります。
主にサーフからのフラットフィッシュやライトショアプラッキング、堤防からのタチウオワインドなどのルアー汎用。
更にオフショアでのライトジギングやタチウオジギングでの使用になります。
もはや原型を留めていませんが、16ヴァンキュシュのスプールと、14ステラのハンドル、夢屋アルミラウンドノブMでカスタムしています。
機能
ローター
ローターは13バイオマスターと同じく樹脂製ローターです。
シマノが高強度樹脂と呼んでいるグラス系の樹脂です。
重量があるので、巻きはじめはやや重たいです。
ただし、慣性が働くのか、一度回してしまえばくるくると楽に回転させることができます。
ボディ
フルアルミニウムボディです。
15ツインパワーSWや13バイオマスターは半分が樹脂で、20ツインパワーは半分がCi4+なので、今となっては珍しい仕様です。
この15ツインパワーのモデルチェンジによって、今の汎用リールのラインナップでは17ツインパワーXDしかフルアルミニウムボディのリールがありません。
ボディ限定の剛性面の話であれば、17ツインパワーXDと同じく、SWを除くシマノの汎用リールの中ではトップクラスでしょう。
防水性
コアプロテクト
賛否両論のコアプロテクトです。
Xプロテクトが出てからはあまり賛の部分は聞きませんw
3年以上使っていますが、ショアからの使用では十分な防水性が確保されていました。
基本的には、使用後のシャワー洗浄のみで巻き心地は維持されていました。
ただし、オフショアに持ち込んだ際に、波を被る位置に置いていたこともあり、浸水してゴリゴリになってしまいました。
真横に置いていたツインパワーSWの方はなんともなかったので、単純な防水性はSWのXプロテクトとXシールドには及ばないといった感じです。
ラインローラー
ラインローラーがコアプロテクト仕様になっています。
撥水性のあるグリスで水分をシャットアウトするというものです。
ラインローラーとベアリングが一体型になっていて、ベアリングだけの交換ができません。
ネジも特殊なものになっていて、簡単には交換もできません。
更に、注油はメーカーから禁止されています。
ですが、筆者はコアプロテクトラインローラーに注油していましたw
もちろん、保証対象外の自己責任での行為となります。
結論から言うと、2年間ちまちま注油しながら使っていましたが、ラインローラーは現在も無事に回っています。
水洗いの後、ダイワリールのラインローラーのように、隙間からちまちま注油していましたが、それだけでなんとか耐えてくれました。
メーカーが注油を禁止しているのは、オイルを注油することで、コアプロテクトの特殊撥水グリスが流出してしまうから、というのが理由です。
コアプロテクトを信用しないのであれば、注油するのもありだと思います。
ただし、自己責任でお願いしますw
2020/5/31追記
ゴリゴリのまま放置もあれなんで、メーカーにオーバーホールを依頼しました。
ただし、こちらも確認すれば良かったのですが、オーバーホールの内訳の紙をもらっておらず、何がどうなったのかが不明ですw
帰ってきたパーツと金額から予測することしかできませんw
ピニオンギアとドライブギアだけ返ってきました。
思ったより少ない・・・
代金は税抜き7,300円です。
コースはBコースでツインパワーはαなので技術量は3,600円。
交換されたのはピニオンギア1,150円とドライブギア2,550円・・・
合計すると7,300円。
少なくともベアリングは有償交換では一つも交換されていないことになります。
無償交換がどのくらいあったのか、そもそも無かったのかが明細がないのでわかりませんw
メーカーの意に反し注油していたコアプロテクトラインローラーも少なくとも有償では交換されていません。
交換箇所からの推測でしかありませんが、浸水してギアが潮噛みしてゴリゴリしていた、というのが筆者の見解です。
もうひとつ可能性としてあるのが、180gのジグをしゃくったことでギアが逝ったというパターンですが、そうでないことを祈りたいですw
少なくとも、ジグをしゃくっている時にゴリゴリはしておらず、自宅に帰ってから発覚したため、やはりバケツで水をかけられるような激しい波しぶきを浴び続けたことが原因だと考えています。
まあ、どちらのパターンだとしても、オフショアで180gのジグをしゃくるならSWの方を使えという結論でしょう。
使用感
自重
メーカー表記で295gです。
現在のリールの重量からすると、重い方になります。(それは当時からですがw)
20ツインパワーが260gなので、それと比べるとかなり重たいです。
ただし、タックルはバランスが重要なので、リールの自重に関しては軽ければ軽い方がいい、とは筆者は考えません。
特に、4000番のような中型のリールに合わせるロッドは、ロングレングスであったりパワータイプのロッドだったりと、ロッドそのものの自重も重い傾向にあり、軽いリールだと先重りする可能性があります。
106MLや96Mクラスのシーバスロッドや、10ft以上のフラットフィッシュロッド、11ftほどある純ヒラスズキロッドなどに合わせるには、295gという自重が重たく感じることはないでしょう。
巻き心地
から回しではシマノ特有の心地よい感じです。
巻き心地だけならXDよりも上で、ツインパワー3兄弟ではもっともシルキーな感じです。
感度
感度はSWよりは良いがXDには劣る、といった感じです。
軽量ローターのツインパワーXDやレアニウムの感度はやはり良いです。
ただし、それらはルアーの巻き抵抗もかなり拾ってしまいます。
15ツインパワーは、感度は低いですが、巻き抵抗の重いルアーの抵抗を多少無視して巻くことが可能です。
この辺りは一長一短です。
感度のあるリールは水流の変化なども捉えることができますが、それらの影響を全て受けるので、単純に巻くのが重たく感じられます。
感度のないリールは不要なノイズを排除してくれますが、前アタリや魚が接近したことによる違和感がわかりません。
このリールは完全に後者の感度のない方のリールです。
前アタリを拾うような繊細なアタリを必要としない釣りの場合は、このリールの方が楽に釣り続けることができます。
リールパワー
フルメタルボディの安心感があります。
ローターは樹脂ですが、それにより何か困ったことはありません。
剛性はアルミニウムはもちろん、Ci4+などのカーボン系の樹脂にも劣りますが、ローターの剛性が問題に感じられるシチュエーションは、筆者にはありませんでした。
ボディがフルアルミニウムボディであれば、不安要素はありません。
結局のところ、実際に剛性の問題がどうかより、剛性があるだろうという安心感を得られるかどうか、が大事なのだと思いますw
そういう意味では、フルアルミニウムボディによる安心感は得られます。
20ツインパワーとの差別化
結論から言うと、20ツインパワーと15ツインパワーは別物のリールだと感じました。
実際に使った訳ではなく、フィッシングショーで触っただけの感想ですが、コンセプトから変わってしまったと感じました。
アルミニウムローター、マイクロモジュールギアⅡ、サイレントドライブ、と予想していた以上に機能が追加されています。
一見すると、15ツインパワーよりも遥かに性能が飛躍した、と見えます。
しかし、触った感想は15ツインパワーの後継機というより、XDと同じく派生機だと感じる程に変わってしまいました。
イメージはヴァンキュシュと17ツインパワーXDの中間の使用感のモデルが誕生した、といった感じです。
なので、15ツインパワーには入る余地がありませんw
そのため、モデルチェンジ後の20ツインパワー4000XGを買うか、安くなっている15ツインパワー4000XGを買うか、で迷っている人には、筆者は何のアドバイスをあげることもできませんw
コンセプトが違うので、お好みや使用状況にあわせた機種を、というのが精一杯の回答です。
総評
実売3万円前半のリールだと考えたら、良いリールです。
シマノでは少数派になってしまったフルアルミニウムボディという点に、他にはない大きなメリットがあります。
軽量ローターによる巻きの軽い感度系のツインパワーXDとは方向性が違うので、差別化もできていました。
しかし、結果的にコアプロテクトによる防水性が中途半端な感じになっていることが、勿体ないリールです。
ショアでは問題なかったですが、オフショアや波飛沫をかぶる釣りではSWの方が良さそうです。
値引きされている15ツインパワーを買うかどうかで迷っているなら、買っても後悔はないと思います。
モデルチェンジ後の20ツインパワーとは方向性が違い、直接の上位互換には当たらないため、損をした気分にはならないでしょうw
後継機は20ツインパワーです。
金属ローターになった代わりにボディはハイブリッドになりました。