ルアりずむ

主にソルトウォーターのルアー釣りを嗜んでいます。タックルやルアーのインプレ レビューをメインで綴っていきたいと思います。ちなみにボウズが多いので、そのレベルだとお察しの上、参考にしてくだされば幸いです。

シマノ 18セフィアBB S80ML インプレ

ショートレングスのエギングロッドに興味をもってお試し的に買ってみたのがこの18セフィアBBS80MLです。
低価格帯のエギングロッドの中では評価の高めのシリーズです。
レングス違いの86MLも購入して使っていました。

SHIMANO 18セフィアBB S80ML



全長(m):2.44
自重(g):98
先径(mm):1.6
適合エギサイズ(号):1.8~3.8
適合ラインPE(号):0.4~1
カーボン含有率(%):95.4

筆者の好みは8.6ft以上のロングレングスでML以下の柔らかいロッドでほぼ固定されてきました。
ただ、その一方で世間的には8ft以下のショートレングスがブームになりつつありました。
ショートレングスに興味が出てきたのでお試し的に購入したのがこのロッドです。

MやMHは手が出ませんがMLなら或いは・・・と購入したのがこの80MLです。

比較対象は同価格帯で硬さ違いのエメラルダス80Mや同じシリーズの長さ違いの18セフィアBB S86MLなど。

仕様

自重
98gです。
1万円台前半のロッドとしては珍しい100gを切った重量になります。

持った感じからして軽い、文句のつけようがありません。
ただ、8ftというレングス込みである点は留意する必要があります。
ただ、それを含めた上で、1万円台前半の価格帯のロッドと考えれば、軽量化に関してはかなり頑張ったロッドだと言えます。

低価格帯のロッドにありがちな重量から来る疲労感は全く感じられません。

ガイド
アルコナイトリングのオールステンレスKガイドです。

KRコンセプトが採用されています。

ガイドだけを見れば旧型の方がSiCリングで優れていますが、物価高騰の都合上仕方ない要素です。
かわりにブランクスが強化されているので、トータルで見ればガイドリングの差は以上のコスパの高さがあります。

継ぎ

逆並継ぎです。

抜けや緩みは発生していません。
この辺りは問題なく使える仕様です。

グリップ

セパレートグリップが採用されています。

ナットもEVAにおおわれて絞めやすく、使いやすいリールシートになっています。

ブランクス

テクノロジー的にはブランクス最外層をX状のテープで包むハイパワーXのみです。

ただ、セフィアBBRや15セフィアと比較すると、ブランクスそのものが大幅に見直されており、旧タイプにはあったダルさが全くなくなっています。

ハイパワーX

ブランクスの外層をX状のカーボンテープで覆う技術で、ブランクス全体に採用されています。
捻れに強くなるとのこと。

セフィアBBRや15セフィアBBでは採用されていなかったテクノロジーが、ガイド変更と引き換えに搭載されました。

全身X状カーボンにより、ロッドの見た目もカッコよく仕上がっています。

テーパー
レギュラーテーパーに近いと思います。
曲げた際の支点がジョイントの少し上くらいにあります。

ファイト時はバットからロッドがよく曲がるため、安定したやり取りが可能です。

使用感

飛距離
8ftと短めですが意外と悪くありません。
長さ違いの18セフィアBBS86MLと比較すると確かに落ちますが、劇的な変化があるわけではないので許容範囲になるかと思われます。

キャスト自体もレギュラーテーパーなので、ブランクス全体に負荷を乗せて飛ばすことができます。
曲げやすいブランクスなので、誰でも簡単にロッドを曲げて投げれるのが魅力です。

投げやすいのは3.0号で、3.5号もブランクス全体を使って打ち出すことができます。
2.5号は投げてないので不明ですが、そちらも投げやすいことは予想できます。

ロッドを曲げるのにコツがいらず、癖もないため、誰でも投げやすいロッドです。

ただ、筆者のようにエギングの合間にルアーを投げる場合は86MLの方が飛距離の面では優れています。
元々飛ばないエギの飛距離は妥協できる差しかありませんが、20g前後のルアーを投げた場合の飛距離は結構変わってきます。
86MLと比較するとどうしてもバットの強さに差が出てくるので、80MLだと曲がりすぎてゆったりしたキャストになってしまいます。
(この点、スローテーパーのセフィアエクスチューン86Lも曲がりすぎるんですが、こちらはブランクスの復元力が強くそのスピードも速いためルアーの投擲にも対応してくれます)

感度
エメラルダス80Mやノーブランド格安ロッドと比較すると、感度面も遥かに向上しています。
かつての低価格帯のロッドはそもそもカーボン含有率が80%台やそれ以下だったりと、粘り要素が多めでシャキッとしていませんでした。

ただ、価格帯を考えれば優れている、という程度でクラスを超越した性能はありません。
競合する今の同価格帯も同程度のカーボン含有率で軽量化も進んでいるため、特別このロッドが抜きん出ているとも言えない感じです。
なので、ここは価格帯にしては良い、くらいの評価です。


操作性

ジャーク
3.5号エギだとバット付近からの復元力を使ったジャークになります。
楽にしゃくれるのは3.0号です。

基本的にはシャロー向けのロッドになります。
深場で重たいエギをしゃくるにはロッドが負けてしまうイメージです。

適度な復元力があるので、ブランクスの戻りを活かしたジャークが可能です。
ただ、復元スピードはそれほど速くないので、ハイピッチショートジャークのような速い展開は一見そこまで得意ではなさそうですが、ショートレングスのお陰でビシビシと動かせます。
ロッドがジャークをアシストしてくれるピッチでしゃくると体の負担を少なくしゃくり続けられます。

86MLと比較した場合、ジャークとエギの操作に関してはかなり優れています。
短いので細かいロッド操作が可能で、更にはしゃくりによる肉体的疲労もかなり抑えられます。

ジャークに焦点を当てた場合、ロングロッドではスラックジョークくらいしか有利にこなせる要素がありません。
ショートレングスブームの背景には、圧倒的な操作性の良さが理由だと思い知らされました。

ファイト感
ブランクス全体を曲げ込んだファイトになります。
キャスト時やジャーク時の支点がジョイントちょい上だとすると、ファイト時はバットから曲がりじわじわと負荷を与えていきます。

ロッドを曲げ込んだ状態でのファイトになるため、衝撃の吸収は余裕ですが、強引なファイトにはそれほど向いていません。
長さ違いの86MLの方がバットが僅かに残るため、強引なファイトで素早く勝負を決める場合はあちらの方が向いています。

アオリイカ相手だとあまり大差がないですが、筆者のように中型青物まで視野に入れると86MLの方がやはり有利です。
メジロやハマチのガンガンと来るヘッドシェイクや突っ込みに耐えるには、タメが効きやすいロングロッドの方が優れています。

レングス
ロングレングス好きの筆者にしてみると、やはり8.0ftは短いと感じました。

ただ、地磯での使用でも状況次第では80MLの方が向いている場合がありました。
それは絶壁系の磯で、背後にバックスペースが取れない場合などです。
フラットな地磯だと、飛距離やティップ位置を水面に近付けるという点でロングロッドの方が有利ですが、水面近くまで降りていく必要のある起伏の激しい地磯だと、ショートレングスの方が有利です。
どうしてもテイクバックのスペースが確保しずらいため、短いロッドの方が少ないロッドの動きでもブランクスを曲げることができます。

ただ、ルアー投擲や青物ファイトまで含めた場合、地磯だと手前の藻場やシモリをかわす必要があり、レングスは少しでも長い方が有利になります。
ランディング時のタメや、突っ込みをいなす意味でも長い方がいい、という結論です。

エギングの大半の時間はジャークになるため、そこの負担の軽減と操作性を向上できる、という意味ではエギングに焦点を当てれば優れたレングスだと言えます。

総評

価格帯を考えると完成度の高いロッドです。
特に、80MLという筆者の使用歴では比較対象がないロッドなだけに、新鮮さばかりが目立ちました。
86MLがそこまで完成度が高いかと言われれば、まずまずとしか言えないため、ショートレングスの恩恵がかなり評価に影響を与えています。

最終的にどっちが好みかといえば86MLです。
この辺りは人による要素なので何に重点を置くか、でしょう。

最初の1本としてはオススメできるエギングロッドです。

現在は18セフィアBBから23セフィアBBへとモデルチェンジしています。