ルアりずむ

主にソルトウォーターのルアー釣りを嗜んでいます。タックルやルアーのインプレ レビューをメインで綴っていきたいと思います。ちなみにボウズが多いので、そのレベルだとお察しの上、参考にしてくだされば幸いです。

シマノ 13ステラSW 8000HG インプレ

オフショアキャスティングとショアプラッキング用に購入したのがこの13ステラSW8000HGです。
当初はキャスティングをメインとしていましたが、途中でジギングにもかなり使いやすいことに気付いて、以後ジギングのメインリールになりました。
19ステラSW8000HGを購入してからは再びキャスティングメインのリールに戻っています。

SHIMANO 13ステラSW8000HG

ギア比 5.6
実用ドラグ力 20kg
最大ドラグ力 28kg
自重 675g
スプール寸法(径mm/ストロークmm) 61/22
最大巻上長(cm/ハンドル1回転) 107
ハンドル長:75mm
ベアリング数(SA-RB/ローラー) 1/14
メーカー希望小売価格 119,000円

大型リールが16キャタリナ5000しかなかったため追加したのがこの13ステラSW8000HGです。
当時は次のモデルが5年周期の18ステラSWだろう、という噂が有力だったため、モデルチェンジまで1年半くらい残したタイミングで購入しました。
結果的に予想は外れて19年にモデルチェンジとなっています。

追加リールの前提条件がハイギアであること、でした。
これはショアのミュートスアキュラの兼ね合いが大きいです。
プラグ操作はどんなギア比でも問題ありませんが、筆者がよく使うシンキングペンシルやジグミノーがノーマルギアだと疲れる、というのが大きな理由です。
どうしてもただ巻きがノーマルギアだとキツくなります。

最初に候補に上がったのが16キャタリナ5000H、次が13ステラSW8000HGでした。
15ソルティガは16キャタリナの登場で次モデルの期待値が高いということで排除、15ツインパワーSW8000HGは4000XGを持っているということで排除しています。

スプール互換を考えれば16キャタリナですが、結局、13ステラの方を購入です。

www.lurelism.com
ハンドルはジギング時はリブレのパワー88を装着。

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プラグメインの現在は19ステラSWのハンドルシャフトに夢屋アルミラウンドLを装着しています。

19ステラSW8000HGを追加してからは、10000番のスプール固定でPE4号~5号を巻いて使用しています。

モデルチェンジに伴って、8000番を新番手に規格を変更しています。
ボディサイズは同じで、ローターのみワンサイズ小さい新しい規格のものが採用されています。


左13ステラSW8000 右19ステラSW8000

これによって8000番としては完全に別物になっています。
13ステラSW8000番を19以降のモデルに置き換えると、10000番以上の番手のモデルに8000番スプールが標準でついている、という状態になっています。

仕様

ローター
アルミニウムローターです。
X RIGID ROTORという名前が与えられており、それは19ステラにも引き継がれています。

重量があるので回転を始めると慣性が働き、継続して巻く作業が楽になります。
連続したジャークやリトリーブは得意です。

また、アルミ製なのでローターに剛性があり負荷が掛かっても変形が少なく強引に巻き取ることができます。

ボディ
フルアルミニウムボディです。
一応、POWER ALという名称が与えられていました。
途中でHAGANEボディに名前が変わっています。

こちらもボディに剛性があるため、ごり巻きなどのパワーファイトは勿論、エビったジグの回収などの高負荷状態でも無理やり巻けます。

ギア
X RIGID GEARなるギアが搭載されていました。
シマノがテクノロジー名称を途中で整理したため、今で言うHAGANEギアでしょう。

現在まで、ギアに違和感は出ていないので、強度面では完成されていると感じます。

ベール
X RIGID BAILなるベールが登場されています。
太軸のチタン製のワンピースベールとラインローラーなどを合わせてその名前で呼んでいるみたいです。

ラインローラー
ベアリング2個登載されています。
DLC処理によって表面が加工されています。
回転性能はよく、手で触ってもくるくるとよく回ってくれます。

キャタリナのマグシールドラインローラーは回転が微妙だったので、その点が違います。
防水性に関しても現時点では問題ありません。

ラインローラーの回転性能だけなら、19ステラSW8000HGよりも圧倒的に上だと感じます。
むき出しになっているので防水性では劣ってそうですが、回転性能は非常に高いです。
19ステラSWはマグシールドラインローラーにかなり寄っていったイメージです。(尚、防水性の優劣は不明)

ドラグ

一発でそれとわかる目立つドラグ音です。
根掛かりした時はかなり恥ずかしいですw

8000番以上はX-TOUGH DRAGというものが採用されています。
スプール下部を大径化した金属とカーボンワッシャーの層で構成することで、単位面積当たりの負荷を大幅に軽減する、とのこと。

ドラグノブ

ドラグノブにはコイルドウェーブスプリングというバネが採用されています。

安定したバネの力が発揮できるようで、どのような状況でもほぼ均一なドラグ調整ができるとのこと。
メモリアルな大型魚とのファイトで一躍買ってくれそうです。

防水性

なんだかんだ言って、オフショアリールでかなり重要なのが防水性です。
ショアとは違い、例え使う場面が一度もなくとも船に持ち込んだだけで海水の洗礼を浴びます。
天候次第では、バケツで海水をぶっかけられたような勢いの波を航行中に浴び続けることも多々あります。

X SHIELD

端的に言うと隙間をパッキンで埋めた、ということらしいです。
それだけ聞くと、パッとしない防水機能ですが、むしろ、前モデルまではなかったようです。

このおかげで、防水性が格段に向上したとのこと。

X PROTECT

今ではお馴染み、ローラークラッチ部の防水構造です。
2層のリップによる物理的な防水と、特殊グリスの充填された3段目のリップで水の侵入を防ぐ、というもの。

これにより防水性は飛躍的に向上しています。

使用感

自重
675gです。

同じサイズの10000万番台としてもやや重めのリールになります。
ただし、600gを越えるとリール重量は誤差の範囲、とはいえ持って比べると明らかな重量差があります。
ローターがワンサイズ小さく50g軽い19ステラ8000HGと比較すると、明らかに13ステラの方が重厚感があります。
10000番スプールを装着するとより重たくなったような気がしますw

ただし、比較したら、の話でそうでない場合は誤差の範囲です。
並べて使ってようやく実感できる範囲です。

とはいえ、PE4号以下で使用するなら19ステラSW8000の方が疲労を軽減できます。

巻き心地
可もなく不可もなく。
どちらか決めろといわれれば別に巻き心地は良くありません。
ただ、これは19ステラSW8000HGも同じです。

結局のことろ、繊細な釣りで使う訳ではないので関係はないでしょう。

巻きの軽さに関してはローターサイズの下がった19ステラがさすがに軽いです。

リールパワー
10000番台ローターなので、8000番ですが19ステラSW8000HGよりもリールパワーが高いと感じます。
別で使ってると違いがわからなくなりますが、比べるとはっきりと違ってきます。


左 19ステラSW8000 右13ステラSW8000

新旧でボディサイズは同じでも、ローターサイズの差がリールパワーの差となっているイメージです。

19ステラSW8000の方がライトで疲労を抑えられる一方、いざファイトに投入すると13ステラSW8000の方が楽になります。

だからといって、わざわざ13ステラを使う理由はあまり無いでしょう。
PE4号以下であれば、ローターサイズの下がった19ステラの方が計量で巻きも軽いため疲労が軽減できます。
巻いてるライン強度を考えても、多少のリールパワーを優先する理由は無いといえます。
巻き取り量を増やす、というメリットくらいでしょう。

新規格の8000番の登場により、13ステラSWの8000番は実質10000番~14000番に繰り上がったといえます。
8000番のリールというよりは、8000番スプールを装着した10000番、というイメージです。


操作性

金属ローターの慣性により連続したジャークが得意です。
キャタリナのようやメリハリのあるジャークはちょっと苦手な気がします。
食わせの間を入れるよりも、そのままジャークを続けた方が楽に感じます。
力の再入力が億劫になるイメージです。

その点、良いのかどうかはともかく、キャタリナの方が毎回再入力を求められるので、キビキビとしたしゃくりになります。

ただ、その慣性のお陰か、一度ジャークを開始すれば勢いに乗り、楽にしゃくることができます。
なのでその辺は好みで別れそうです。

オフショアジギング
ジグザムバージョン3 S571-5に合わせて使っています。

筆者のようにPE2号でジギングをする場合は19ステラSWの8000番の方が絶対に良いです。
その場合、6000番も選択肢に入りますが、ファイトとジャークで8000番の方が楽になります。
特に、ジギングは時間の大半がジグ操作なので、そこの負担を減らせるのは大きいです。
ただし、短期的に見れば8000番の方が楽ですが、長時間の使用で考えればタックル総重量を減らせる6000番の方が体の負担は少ないです。
釣りの最中を楽にするか、釣りが終わってからを楽にするか、でしょう。

5番クラスのジグザムと合わせる場合はPE4号がメインで場合によっては3号という組み合わせです。
同じロッドで比較すると、ファイトだけならノーマルギアのキャタリナ5000の方が楽です。
ごり巻きの状態になると、ギア比の差が出てきます。
ハイギアだと突っ込みに大して強い力でリーリングを止められますが、ノーマルギアならほとんど無視しながら巻いていけるからです。

逆にジャークの場合はハイギアのステラSWの方が楽でした。
これは先入観でノーマルギアの方が楽だと思い込み、ジギングでステラを使って来なかったんですが、ラインブレイクでやむを得ず使った所、ステラの方が楽であるとわかりました。
単純な巻き上げパワーだけで見ればキャタリナ5000の方が上ですが、ジャーキングが始まると慣性の力が働くステラの方が楽に感じます。
一度、テンポに乗るとそのままリズムよくジャークできます。
これは筆者のジャークとリーリングによる巻き取り量がハイギアで一致し、ローターの慣性の勢いを利用できたことが理由でしょう。
そういった経緯から、ジギングのメインリールをキャタリナ5000からステラSW8000HGに変更になっています。

オフショアプラッキング
PE4号でアクイラ74MHとの組み合わせで使っていました。
元々はこっちがメインでジギングには使っていませんでした。

ただ、筆者のフィールドだとPE2号でいいので必然的に出番はほぼありません。
他のエリアの乗合船に誘われた時くらいです。

キャスティングだけでなく、最悪ジギングロッドとしても使えるので、困った時に1本持って行くと色々対応できる便利なセットです。

ショアジギング&プラッキング

合わせるのはミュートスアキュラ100HでPEは3号または4号といった感じです。
タックルを最大限に生かすなら4号です。

ショアプラッキングも最近はライトにPE2号タックルがメインになってしまったので、最近の出番は少な目です。

ジグもプラグもできる汎用性の高いタックルになります。
ジグやポッパー・ダイビングペンシルだけならキャタリナ5000でも大丈夫ですが、シンキングペンシルやジグミノーなどリトリーブメインのプラグを使う場合はハイギアの方が断然良いです。
ぶっちゃけプラグ操作に巻き取り量以外のリールの差はほぼ感じないので、それくらいしか感想がありません。

総評

完成されたリールです。
19ステラはライトになったので差別化できていますが、10000番と考えた場合13と19の差は比較対象がなく筆者にはわかりません。

ラインローラーに関しては筆者は13の方が好きです。
それ以外、特に語ることのないリールですw

19ステラSWのラインナップだと、実質の後継機は10000番台になります。
10000番台に8000番スプールを装着すれば、13ステラの8000番と似たような仕様になります。

筆者も13ステラの方は10000番スプール固定で実質10000番として使っています。



8000番で考えるとローターサイズが下がってライト化した19ステラSW8000HGの方が計量・コンパクトで巻きも軽いためオススメです。

なので、新規格の登場で今となっては中途半端なポジションになってしまったリールです。