用途は17セドナ4000XGや20レブロスLT4000と同じくエサ釣りや貸し出し用での購入です。
先にリリースされて購入した20レブロスLT4000の替えスプールも兼ねています。
合わせるロッドはクロステージCRK962MやムーンショットS906Mなど。
DAIWA 20 CREST LT5000CXH
自重 285g
巻取り長さ(ハンドル1回転あたり) 105cm
ギア比 6.2
最大ドラグ力 12kg
ベアリング(ボール/ローラー) 4/1
定価 オープン
夏の新製品として登場したのが20クレストです。
16クレストには3000番クラスのボディがラインナップされていませんでしたが、20クレストにはLT4000~LT5000番としてしっかりとラインナップされています。
正直、ここが一番気掛かりな部分でしたが、今回は大丈夫でしたw
実物のサイズもシマノ4000番クラスに相当して、表記だけLT4000という訳ではありません。
装飾に関しては16クレストと比較するとかなり削られたといった印象です。
ハンドルノブの装飾、エンジンプレート風の装飾、などが削られています。
ただし、その代わり、リールとしての完成度は間違いなく前モデルの16クレストよりも高くなっていると感じます。
仕様
ローター
16クレストに引き続き、エアローターは未搭載です。
素材はグラス系樹脂のDS4で、その重量からか巻き感はシマノの17セドナにかなり近い感じです。
20レブロスがエアローターによる軽量な巻き感だとすると、20クレストはローター重量を利用した慣性系のリールになっています。
ボディ
ボディも16クレストに引き続きグラス系樹脂のDS4です。
一番の特徴は、ボディサイズが20レブロスより若干大きくなっていることです。
20レブロスはLT4000でもボディが軽量化のためかコンパクトに納められています。
それと比較すると、20クレストは軽量化度外視のがっしりとしたボディです。
ボディのサイズ感だと競合の17セドナ4000に近いです。
それでもって自重は285gに抑えているので、ここはかなり評価できる点でしょう。
強度を確保しつつ軽量化にも成功した、といった感じです。
ギア
LTコンセプトになってタフデジギアが搭載されています。
タフデジギア・・・わかりにくいですが、基本的にはギアが大径化したもの、だそうです。
素材は亜鉛ダイキャストなので、素材面だけなら超々ジュラルミンの17セドナの方が優れていると言えます。
ただし、これに関してはどちらが良いとも言い切れず、大径ギアによる強度アップか、超々ジュラルミンの素材の強度か、実際に使って耐久力を体感する以外ないといった感じですw
どちらが先に壊れるか・・・で評価が決まるといったところです。
ドラグ性能
16クレストではドラグの調整幅が狭かったのが、20クレストでは改善されています。
調整幅のピッチも細かくなっており、最適なドラグ力を設定しやすくなりました。
最大ドラグ力も上がっているので、ライトショアジギングなどの釣りにもようやく導入可能な性能になったと言えます。
更に、ATDのドラググリスが採用されたことにより、ドラグ性能自体も大きく改善されたと感じます。
瞬間的な力が加わるとドラグが出て、ズルズルと継続的にラインが引き出されると徐々に強くなる、といったATDの特徴はこの価格帯のリールでも顕在です。
防水性
逆転レバーが無くなりストッパーレス仕様になっています。
20レブロスでは搭載されているので、その点が大きく異なっています。
逆転レバーを使用している人にはデメリットですが、そうでない人にとっては防水性の向上と戻し忘れによるトラブル軽減になりメリットとなります。
カスタム性
ハンドルノブ
カスタム性の低さは引き継いだままですw
20クレスト、20レブロス共に原則的にハンドルノブの交換はできません。
ノブを破壊するという荒業を使わないと変更できないので、この点では競合の17セドナに劣ります。
ノブのカスタムにはレガリス以上のリールを買う必要があります。
ラインローラー
ベールとラインローラーの間に段差というか僅かな隙間のあるタイプです。
ここは17セドナとは同様の仕様で、この点が改善されるのはダイワなら20レブロス、シマノだと釣種専用BBシリーズとなります。
肝心のカスタムですが、ラインローラー内のパーツが20レブロスとは異なるものが使われています。
そのため、ヘッジホッグスタジオさんの従来の追加キットでは対応できないため、現状、追加は見送っています。
従来のキットのワッシャーを1つだけ使用すればなんとか装着はできますが、若干のガタは発生します。
他力本願ですが、ピッタリと穴を埋めれるワッシャーを見つけてくださるのを待ちますww
使用感
自重
LT5000で285gです。
競合の17セドナC5000で300gと考えると、自重面ではかなりセドナを意識し、押さえてきたといった印象ですw
ワンランク上の20レブロスLT5000が260gと考えると一見重いですが、レブロスは軽量化のためにボディサイズをギリギリまで削っているので、ここは一概に数値だけではレブロスが良いとは言えない感じです。
巻き感
やや重いといった感じです。
17セドナ4000XGと比較すると、巻き始めはセドナよりも軽いですが、回転が始まると慣性がより強いセドナが軽く感じます。
ただし、空回りでの話ですので実釣レベルでは誤差の範囲でしょう。
ハンドル長に関しては、20クレストが60mmと17セドナよりも長いため、巻きのパワーは勝っていると感じます。
軽量路線を突き進む20レブロスLT4000と比較した場合は、かなりの巻きの重さを感じます。
巻き始め、巻いてからもレブロスが軽いです。
これだけ聞くとレブロスに圧倒的に劣る感じですが、レブロスとはリールの方向性がかなり違うので、巻き感だけで良し悪しを判断できないのが現実です。
価格面を考慮すれば不満はないでしょう。
剛性面
剛性面に関しては20レブロスよりも上だと感じます。
これは20レブロスが軽量化に突き進んだ結果、ボディサイズをギリギリまで削ってしまっていることに起因します。
故に20レブロスはボディに加えてリールフットも細くなってしまい、負荷がかかるとリールが大きく捻れてしまう、といった事態が度々発生します。
対して、20クレストは軽量化のためにボディが削られておらず、リールフットも十分な太さがあるため、負荷に対してもそこそこ強いリールとなっています。
剛性面に関しては20レブロスよりも上でしょう。
20クレストか20レブロスか
ワンランク上の20レブロスか20クレストを買うかで迷っている人は、軽量路線のリールをとるか剛性面をとるかで選べば大丈夫だと思います。
正直、LT4000~LT5000クラスのリールを検討しているなら、20クレストの方が良いというのが、筆者の見解です。
上でも述べた通り、20レブロスは軽量化を優先しすぎてボディをかなり削っているため、LT4000~LT5000、シマノ4000~C5000のリールとしてはかなり頼りないリールとなっています。
特に20レブロスのリールフットの細さは、負荷が加わらずともリールシートに装着した時点で察しがつくレベルに弱いため、後々、リールフットの歪みに嘆くくらいなら、最初から20クレストを選んだ方が良い、という訳です。
リールフットが歪むことによる剛性の有無の体感は、ザイオンボディかアルミニウムボディかで問題になるような剛性の話とは、文字通り比べ物にならないほどわかりやすい次元の話です。
レガリス、フリームスと素材がDS5に変わっても、ボディ構造的にフットの弱さはあまり改善されそうにないため、エクセラーやレグザといった金属ボディのリールにするまで本当の意味での剛性面は確保できない感じです。
20クレストが決して剛性面で優れているわけではありませんが、20レブロスと比較すると大きく異なる、といった話です。
逆に、LT3000やLT2000などのタフな使用よりも軽量化による恩恵を受けやすい番手に関しては、20レブロスに分があると感じます。
ライトラインを使うのであれば、ラインローラーとベールアームの段差が解消されているレブロスに分があるでしょう。
故に、軽量化をとるか剛性面をとるかの2択で決めれば問題ないでしょう。
20クレストか17セドナか
もうひとつ迷うパターンとしては、価格帯が同じ、競合他社のシマノ17セドナの存在です。
正直、これに関しては好みで選んでも良いと感じます。
基本的には20クレストと17セドナは近いリールだと感じます。
グラス系樹脂のローターとボディ、共に重量ローターによる慣性系のリールであること。
ギアは亜鉛ですが大径化しているタフデジギアの20クレスト、超々ジュラルミンのハガネギアの17セドナ、どちらの耐久力が実際に優れているかは現時点では筆者にもわかりません。
重量面で見ると20クレストの方が軽量で分があり、カスタム面ではハンドルノブの変更が可能な17セドナに分があります。
結局のところは耐久力がどちらが優れているのかで、勧めるべき機種が変わってきます。
覆せないのはカスタムの差なので、ハンドルノブを変更したいのであればセドナ一択になります。
メーカーやハンドルノブにこだわりが無ければ安い方を買えば良いでしょうw
総評
16クレストの不満点はほぼ解消されています。
ダイワは伝統的に価格帯でドラグ性能の差をつける傾向にありましたが、クレストにもATDが搭載されたことにより、ドラグ面ではかなり信頼できるようになったと言えます。
加えて、レガリス、レブロスとは異なる方向性のリールとなっているため、20クレストには20クレストの役割や価値が生まれています。
LT4000~5000番にてライトショアジギングやフラットフィッシュ、シーバスなどの入門にはかなりオススメのリールです。
インプレその2はこちら
www.lurelism.com