ルアりずむ

主にソルトウォーターのルアー釣りを嗜んでいます。タックルやルアーのインプレ レビューをメインで綴っていきたいと思います。ちなみにボウズが多いので、そのレベルだとお察しの上、参考にしてくだされば幸いです。

天龍 テンリュウ ホライゾン LJ HLJ621S-FML インプレ

天龍から出ているライトジギングロッドです。
筆者は青物狙いのライトジギングの他、タチウオジギングのメインロッドとして使用しています。

ティップ、ベリー、バットとそれぞれが役割を持っていて、レギュラーテーパーですが、状態次第で変わる、実質可変テーパーのようなロッドです。

不満点がほぼなく、非常に気に入っているライトジギングロッドです。

HORIZON LJ HLJ621S-FML

全長:1.88m(6フィート2インチ)
タイプ:S
継数:1
アクション:R
仕舞(cm):188
ルアーウェイト(g):MAX150
Best(g):100
ラインPE(lb):MAX20
PE(号):0.8-1.5
ドラグMAX(kg):3
リアグリップ全長(mm):450
先径(mm):1.8
自重(g):123
カーボン/グラス含有率(%):76/24

ヤマガブランクス シーウォークライトジギングの次にたどり着いたのがこのロッドです。
単純に扱うルアーウエイトの適合が合わなかったという理由です。

こちらのタチウオジギングのポイントは、水深が80~100mほどあり、潮の流れ次第では最大200gまで想定しておく必要があります。
ヴァデル BJ 66XHSがMAX150gで、
シーウォークライトジギング 64MLがMAX120gのロッドでした。

結果、ヴァデル、シーウォーク、共に160gからの操作性が悪かったため、フィールドに合わせてロッドの変更に至った訳です。

スペック上はホライゾン621S FMLもヴァデルBJと同じくMAX150gのロッドですが、そのロッドパワーは数値以上に感じられます。
その違いを特に感じられるのはジグの操作性です。
ヴァデルで150gはかなりしんどいですが、ホライゾンだと快適にジャークできます。
その最大の理由はベリーの強さです。
柔らかすぎた前任の2ロッドよりも、ベリーから硬くなっているため、スペック以上の快適さがあります。

そのため、カタログスペック的には同クラスですが、実際の使用感は全く異なるロッドになっていました。
若干、ホライゾンにはヴァデルやシーウォークライトジギングにはあったシャープさに欠けていますが、ジギングロッドと比較すると十分細身でライトなロッドです。

合わせるリールは15ツインパワー4000XGや20ステラSW4000XG、、17ソルティガBJ3500SH、17モアザン3500など。

最終的には青物なら17ソルティガBJ3500、タチウオジギングなら17モアザン3500に落ち着いています。

仕様

ガイド
ステンレスフレームのK ガイドです。
リングは薄型のSiC-Sが採用されていました。

ジグをちょい投げする際にも、ライン放出性は高いです。
この辺りは特に問題ない仕様です。

グリップ
リールシートはVSSのダウンロックです。

ライトジギングロッドですが、シマノSW5000やダイワ旧3500~4000番も装着可能です。

マグナフレックス製法
異なる素材を1本のブランクスとして焼形する技術のようです。

ホライゾンLJでは、グラスチューブラーとカーボンチューブラーを繋ぐグラスフレックスが採用されています。

これによりティップセクションがグラスチューブラーになっています。
それがホライゾンLJシリーズの最大の特徴になっています。

タチウオジギングではグラス部分が食い込みの良さに繋がっていて、反発の強いロッドにありがちなアタリを弾く状態を回避してくれています。

C・N・T
カーボンナノチューブの略とのこと。

高度なテクノロジーすぎて理解が追い付きませんが、
ナノサイズの中空・チューブ状の物質をレジンに混ぜ込むテクノロジーのようです。

これにより、ブランクのネバリ強度が増すというこ。
イメージはナノアロイに近いかも知れません。

目には見えませんが、これがバット部分に搭載されているらしいです。

グラスチューブラーティップ
マグナフレックス製法により、継がずに1本のブランクスとしてティップ部分にグラスチューブラーを備えています。

このロッドの特徴の一つで、食い込みの良さに大きく影響しています。

グラス部分は青色なので目立ちます。

使用感

感度
感度に関しては微妙な感じです。
ジギングロッドと比較すると細身でライトですが、粘りのブランクスなので振動を感じとる能力は低いです。
この辺はヴァデルBJやシーウォークライトジギングも同じです。
ただ、シーウォークライトジギング64MLはホライゾンLJ621FMLよりも更にシャープなため、あちらの方が若干感度が良いです。
まあ、誤差の範囲です。
ハードロックフィッシュなどで着底がわかりにくいのはどちらも同じです。

ティップのグラスチューブラーは揺れるアタリなど、目感度の面では優れていますが、振動を吸収するので手感度を下げる要因ではあります。
ジギングロッドとして使う分には全く問題ありませんが、ロックフィッシュやタイラバに転用すると、感度は微妙だと感じられるでしょう。
感度が求められる釣りへの転用はそれほど向いていません。

操作性
速いピッチのロッド操作にも対応できる、という点が、ヴァデルやシーウォークライトジギングとの大きな違いになります。

一番の違いはベリーの強さです。

ティップはグラスチューブラーで柔らかく、この点はヴァデル・シーウォークにも負けず劣らずといった感じです。
ただ、ホライゾンLJはベリーがしっかりしているので、ベリーからジグの操作が可能です。
ヴァデル・シーウォークはベリーも柔らかく、バットまでロッド全体を使ってジグを操作する必要があります。

その点ホライゾンLJは、150gのジグでもベリーを使ってしっかりジャークできます。
ティップ、ベリー、バットの復元力が絶妙で、ジャークに対してロッドが遅れてくるような感覚にはなりません。

ジグ操作に関してはヴァデルBJ66XHSやシーウォークライトジギング64MLとは段違いに楽にこなせるようになっています。

グラスチューブラーのティップはジャークを止めた後のアタリに対して非常に強いです。
ジグのフォールに対してティップが入り込んで追従してくれるので、ジグの自然な動きを演出できます。
それにより食い込みが良く、タチウオなどの噛み付き系のバイトも弾きにくくなっています。

ロッドパワー
ライトジギングロッドなので青物がヒットするとぶち曲げられます。

バットからぶち曲げられますw

ヘッドシェイクや突っ込みにはロッド全体で吸収していなすイメージです。
魚の動きにロッド全体で追従するので、バラす要素はほとんどありません。

ただ、バットの根元からぶち曲がるので、ポンピングではあまり寄せれません。
リールパワーに頼ったごり巻きがメインになります。

ヴァデルやシーウォークよりはベリーに強さがあるため、魚が弱ってくるとベリーから浮かせることができます。

ブランクス自体は粘りのブランクスで、戻りの速さはヴァデルBJやシーウォークライトジギングよりは速い、といったイメージです。
ただ、青物が元気な内は戻りが間に合わない感じです。

ロッドパワー自体はヴァデルBJやシーウォークライトジギングよりも上ですが、ライトジギングロッドのカテゴリーは超えてこない感じです。
ひとつパワーが上のHLJ611S-FMの方が、よりハードな使用には向いていそうです。

レギュラーテーパーなので普段はベリーの強さが発揮されますが、負荷がかかるとスローテーパーのようにバットからぶち曲がる仕様です。
なので、ターゲット次第でロッドのどの部分を使って寄せてくるのかが若干変わります。

汎用性

青物
ライトジギングロッドでありながら、青物狙いの速いピッチのジャークができるのが特徴です。

ショートジャークから、ロングジャークまで、しっかりとジグを動かすことができます。
ヴァデルBJやシーウォークライトジギングではジャークにロッドがついてこないので、こちらは青物狙いでも使えるというのが際立った利点です。

ただ、ファイトに関してはバットからぶち曲げられるので、正直、楽ではありません。
リールパワーにかなり依存するファイトになります。
ただし、ヴァデルやシーウォークのように時間がかかりすぎて同船者に迷惑をかけることが少ないのは利点です。
ライトジギングロッドにしては早く勝負が決まります。

加えて、追従性が高いので掛けてしまえばバラす要素の少ないロッドです。

狙いの定まらないプレジャーボートの釣りでは、青物狙いでも使えるので汎用性の高いロッドです。
最初から青物狙いの場合は余程の理由がない限りは普通のジギングロッドの方が向いています。
ただ、渋すぎて食いが悪い時などはライトラインも相まってこちらが良い場合があります。

タチウオジギング
筆者のメインの起用はタチウオジギングになります。

水深80~100mのエリアで、100~200gまでのジグを操作するのに使っています。
青物と違ってゆったりジャークするので、200gでも一応操作可能です。

グラスチューブラーのティップにより、ステイのタイミングでの食い込みが良く、バイトに対してキャッチ率の高いロッドです。
ただ巻きでのバイトに対してもティップが食い込むので弾きにくいです。

グラスチューブラーティップはフォールに反応が良いタチウオと非常に相性が良いと感じます。

ファイトに関しても、タチウオが急に本気を出してもバットからぶち曲がりいなしてくれます。
反発によるテンション抜けを極力抑えてバラシを軽減したいならロッドを曲げてのファイトがオススメです。
レギュラーテーパーでベリーからそこそこの強さがあるので、暴れさせるとベリーで弾いてフックアウトするリスクがあります。
なので、バットから曲げておけば、タチウオが上に向かって泳ぎ出した時にも対応でき、暴れた時にもロッド全体で衝撃を吸収するのでテンションの維持が楽です。
ただ、それをすると疲労感も高いので数釣りになると苦しくなってきます。

水深が水深なだけに、寄せのことを考えればリールは少しでも大きい方が楽です。
数釣りになりやすいことも考えると、ファイトは少しでも楽になるノーマルギアのモアザン3500が筆者的には最適解でした。

タイラバ
スピニングタイラバロッドを揃える以前はこちらを代用していました。

ティップがグラスチューブラーのため、他のライトジギングロッドよりもアタリは弾きにくくなっています。
ただ、粘りのブランクスのため、感度自体は正直悪いです。
魚のアタリを感じる能力は十分ありますが、流れの変化などはほぼ感じ取れません。

ヒットした後は、ロッドを立てずにファイトしても良し、合わせてて曲げても良い感じです。

わざわざタイラバ狙いでこのロッドを用意するには微妙ですか、代用として使うことは十分可能です。

総評

非常に気に入っているロッドです。

ライトジギングロッドでありながら、速いピッチのジグ操作に対応しており、グラスチューブラーティップにより食い込みの良いロッドです。
青物とのファイトに関しても、ライトジギングロッドにありがちな時間をかけすぎるファイトにならないのが魅力です。

レギュラーテーパーですが、ティップのグラスによりファーストテーパーのようにも感じられるロッドです。
何をするにもベリーがいい仕事をしてくれて、高負荷状態ではスローテーパーのように曲がるため、状態に応じてティップ、ベリー、バットを自在に使い分けることができます。

タチウオジギングと青物の両方を1本でこなせるため、プレジャーボートでの釣りとも相性が良いです。

ライトすぎてパワーがなく疲れる、という状況になりにくいオススメのロッドです。