天龍から出ている掛けタイラバ専用のタイラバロッドです。
掛けタイラバで尚且つスピニング用というかなり拘ったロッドですw
天龍 テンリュウ RF742S-M
キャスト Max(g) 90
ルアーウェイト(g) MAX140
ライン(lb) MAX20
PE(号) 0.6ー1.2
ドラッグ MAX(kg) 3
リアグリップレングス(mm) 400
先径(mm) 1.3
元径(mm) 8.9
ロッドウェイト(g) 134
カーボン/グラス(%) 87/13
タイラバへの迷走が続き、次なるタックルとして選んだのがこちらです。
天龍のライトジギングロッド、ホライズンLJのスピニングモデルでタイラバをしたところ中々良かったので、どうせなら専用モデルでということで、掛けタイラバ専用且つスピニングロッドのこちらを選択しました。
タイラバは乗せスタイルが基本ですが、バラしが連発するとアワセなかったことを後悔してしまいますw
今までは乗せスタイルのタックルを無理やりアワセて使っていましたが、ラインシステムから見直し、掛けタイラバ専用でタックルを組むことにしてみました。
スピニングモデルなのは、潮が緩んだタイミングでもキャストしやすく扱いやすいというのが理由で、紀北・泉南エリアではスピニングタックルでのタイラバが流行りつつあったため、掛けタイラバ用のタックルもスピニングで揃えてみました。
天龍の掛けタイラバスピニングモデルには、682S-MLというモデルもありますが、筆者のメインフィールドはドテラ流しが主流なので、ドテラ専用設計の742S-Mを選択しました。
メーカーの推奨するリールはダイワ旧3000~4000、シマノ3000~4000となっています。
筆者は17モアザン3500、や20ツインパワーC3000を合わせていました。
ただし、ベストマッチするのはシマノ4000~C5000番かダイワLT4000~5000、ダイワ旧3000番になると思います。
合わせるならツインパワーC3000よりもモアザン3500の方がマッチしていました。
シマノC3000やダイワLT3000、ダイワ旧2500番だとせっかくのブランクスのパワーを生かし切れない可能性があるので、それよりワンランク上のリールが最適でしょう。
仕様
パワー表記
Mクラスです。
ただし、タイラバロッドほどパワー表記に統一感のないジャンルはありませんw
ダイワでいうとMHかHクラスの強さになると思います。
ガイド
オールステンKガイドです。
全てのガイドでシングルフットが採用されています。
ガイドリングはSiC-Sリングになっているため、従来のJ型よりも内径が広くなっており、糸抜けがよくなっています。
キャストで使う最でもライントラブルになり難く、使いやすいガイドセッティングです。
ブランクス
天龍らしくないカチカチのブランクスですが、曲げれば粘る、らしさも残るブランクスですw
高弾性でパリパリ、というイメージではなく、弾性率低めのブランクスで径を太くまたは、内径を厚くすることで硬さを出した、という感じです。
テーパー
ファーストテーパーです。
穂先は柔らかい(とはいえソリッド系のタイラバロッドに比べると格段に硬い)感じで、ベリーより一気に硬くなります。
これはアワセで真鯛の顎を貫く必要があるため、硬めの設定にしているとのことです。
バット部分はかなり硬めになっているため、通常のタイラバロッドとは随分と異なるロッドに仕上がっているイメージです。
棒の様なバットと例えてもいいかもしれませんw
バット~ベリーのガチガチ具合は、筆者の所持している、または使ってきたロッドの中でも断トツで、かなり極端なファーストテーパーです。
ですが、曲がらないかといえばそういう訳でもなく、ファイト時は適度に曲がって負荷を与えてくれます。
さすがにぶち曲がることはありませんがw
マグナフレックス
弾性率や素材の違うブランクスを継がずに1つのブランクスとして作る技術のことらしいです。
レッドフリップではカーボンの弾性率の面で使われているようで、異なる弾性率を一本のブランクスとして仕上げているようです。
完全に推察ですが、柔らかいティップとカチカチのベリー以下の急激な変化を、このマグナフレックス製法で仕上げているのだと思いますw
というか、それだとこの急な変化も頷けますw
継ぎ
継ぎはグリップジョイントです。
リールシートもダイワ旧3500番クラスに対応しているので、大物狙いでタックルを組むことができます。
使用感
感度
カチカチブランクスからのチューブラーのティップにより、振動を感じやすいブランクスです。
タイラバの巻き上げ時には柔らか目のティップが振動を拾い、それをカチカチのブランクスが吸収することなく、使用者の手元まで届けてくれます。
同じチューブラーでもシーウォークタイラバでは、ティップで感じた振動がブランクスに吸収されてしまい手元には僅かにしか届きませんが、このレッドフリップではそれが吸収されずに伝わってきます。
そのため、潮の変化や前当たりなどの抵抗の変化を感じることができます。
チューブラーですが感度は良いロッドだといえます。
ロッドパワー
バットパワーがある、と表現していいのかわかりませんが、バットが残るためファイトは楽なロッドです。
ベリーの復元力が凄く、ごり巻きとその復元力を使えば大物でなければ簡単に浮いてきます。
筆者は大物を掛けていないので、バットがぶち曲げられる状況になればどうなるのかは不明ですw
そもそもバットがどの程度復元力を発揮して機能するのかも不明です。
基本的にタイラバで真鯛を狙うのであれば十分すぎるロッドパワーでしょう。
キャスト性能
キャスティングタイラバ用のロッドではありませんが、キャスト性能はそれなりにあります。
筆者はアンダーキャストメインですが、ブランクスの反発を利用できるため軽い力でも飛んでくれます。
キャスティングタイラバでの使用を想定している人にもオススメできます。
ただし、オーバーヘッドでのフルキャストに関しては試していないので不明ですw
掛けタイラバ
フッキング
掛けタイラバ専用ロッドなので、フッキングは決めやすいブランクスです。
カチカチのベリーからバットが衝撃を余さずフックの貫通に役立ててくれます。
ブランクス単体で見ると、非常にフックを貫通させやすいロッドです。
ただし、カチカチのベリー~バットが衝撃を吸収せずにフックに力を伝わるため、タックルバランス全体の調整は必須となります。
ラインシステム
メーカーの推奨はPE1号ラインシステムです。
筆者のメインフィールドではPE0.6~0.8号が主流となっているため、筆者は当初0.8号で使用していました。
結論から言うと、メーカーに逆らわずにPE1号以上のシステムがオススメです。
このロッドはフッキングを重視してベリー~バットが硬いため、PE0.8号システムだとアワセた時にラインブレイクが多発します。
これは掛けたターゲットの重量が重ければ思いほど発生するため、小物は切られず釣り上げられるが、大物は衝撃に耐えられずにラインブレイクする残念な状況に陥ってしまいます。
そのためPEは1号以上、リーダーは20LB、フロロ5号以上がオススメです。
ラインブレイクを恐れて中途半端なアワセになると本末転倒なので、ラインシステムは強めに設定するのが無難です。
フック
ラインシステムも備えれば、その負荷はフックに集中します。
フックは太軸のもの、または大型のものがオススメです。
いかんせん、ロッドが衝撃を吸収しないため、小さかったり細かったりすると、フックを曲げられたり折れられたりします。
フックのアシストラインやシーハンターも細いものを使っているとブレイクしかねないので、太さや磨り減っていないかのチェックは必要です。
フックの種類に関してはどこに掛けるかなど、戦略によってかわってくるので、各々の判断で、といったところですw
汎用性
乗せタイラバ
乗せタイラバでの使用は正直微妙です。
ベリーからバットが硬いため、合わせずに巻き続けても、ブランクスがバイトを弾いてしまい乗りません。
ベリー~バットが硬いため、真鯛のバイトや引き込みの衝撃が全く吸収されずにターゲットに跳ね返るイメージです。
大袈裟な例えですが、根掛かりをロッドを煽って外そうとしている状況に近いですw
そのため、バイト時に違和感を覚えられることは言うに及ばず、フックが貫通しているかどうか微妙な状況でも食い込ますことは難しいため、乗せタイラバとして使うのは適していないといえます。
タイラバをしていると、明らかに掛けではなく乗せの方が適しているシチュエーションがありますが、そうなるとこのロッドでは代用できないため、別途乗せ用のロッドを用意することは必須になります。
他魚種
スーパーライトジギングやライトジギング、ハードロックフィッシュなどに適しています。
硬めのブランクスで感度も良いため、根魚狙いの釣りでは特に使いやすさを感じます。
ファイト時にバットが残るため、魚を底から引き剥がすのは得意なロッドです。
総評
掛けタイラバ専用設計のブランクスと、スピニングモデルという、シチュエーションやスタイルがある程度限定されたマニアックなロッドですw
このロッド一本でタイラバの全てはカバーはできませんが、掛けタイラバやキャスティングタイラバといった限定的な状況で活躍が見込めます。
潮が動かずキャストが必要な状況や、活性が高く積極的に掛けた方が良い状況、根魚や青物、フラットフィッシュなどの掛けタイラバが威力を発揮しやすいターゲットや、真鯛の活性が高い時など、ハマるシチュエーションではとことんハマるロッドです。
メインにはなれませんが、タイラバの幅を広げるサブロッドとしてオススメのロッドです。