ルアりずむ

主にソルトウォーターのルアー釣りを嗜んでいます。タックルやルアーのインプレ レビューをメインで綴っていきたいと思います。ちなみにボウズが多いので、そのレベルだとお察しの上、参考にしてくだされば幸いです。

シマノ ゲーム タイプ スロー J B683 インプレ

スロージギングをすることになった時に、最初に購入したのがこのゲームタイプスローJです。

スロージギングに関する知識が皆無な状況で手探りで選定しました。
主にプレジャーボートにて、ヒラメや根魚、タチウオに青物まで、万能に使うことを目的として購入しました。

SHIMANO GAME type slow J B683

全長:2.03m
継数:1本
仕舞寸法:203cm
自重:120g
先径:1.8mm
元径:9.6mm
適合ジグウェイト:MAX230g
適合PEライン:MAX2.5号
カーボン含有率:95.1%

ヒラメ狙いのスロージギングをすることになって、最初に買ったがタイプスローJです。
スロージギング以外にも、タチウオジギングや青物狙いのジギングでのベイトタックル全般としての使用を目的としています。
リールは16オシアコンクエスト301PGを流用します。
そのため、ジグは最大200gくらいで青物メインでも使用できるロッドパワー、リールの兼ね合いからPEは1.5号の想定です。

そこで最初の問題、スロージギングとはそもそも何なのか・・・というところから始まりますw
簡単に言うと高弾性のロッドの反発力を使ってジグを飛ばし、フォールでバイトを誘うメソッドのようです。
そのため、スロージギングロッドはジギングロッドとは異なり高弾性というのが大きな特徴になっています。

スロージギングロッドの本家はエバーグリーンのスロージャーカー。
そのスロージャーカーを作っているであろうオリムピックのプロトンも同じ系譜であると思われます。
それら本家スロージギングロッドの特徴は極端な高弾性ブランクスにあるようです。
そのため、ファイト時はタイラバのようにロッドを立てずに行うのがセオリーのようです。

その本家から分岐する形で各社様々なスロージギングロッドを展開しているようで、メーカーによってロッドの癖が極端に変わるという状況になっているようです。

そんな中、目に止まったのが後発のシマノのスロージギングロッドでした。
高弾性は本家と同じですが、テーパーはスローでロッドを曲げてのファイトも可能なのが特徴だとのこと。
スロージギングメインではなく、青物ジギングでの兼用も予定しているため、ワンピッチジャークでも使いやすそうなシマノから選択することとなりました。

最初の1本ということてミドルクラスから、評判の良かったゲームタイプスローJから選択。
番手は中型青物やタチウオを視野に入れたターゲットから683としました。
スロージギングロッドのウエイト表記はジギングロッドとは異なるようで、ロッドの反発でジグを飛ばす想定らしく、ワンピッチで使う場合はもうちょっと低くなるとのこと。
その辺りを含めて、番手もお試し的な選択です。

一応、比較対象はこのロッドの次に購入した18オシアジガーインフィニティB65-3となります。

仕様

継ぎ
継ぎのないワンピースのロッドです。
レングスが6.8ftもあるため、持ち運び面では、かなり長めのロッドになります。
車によっては注意が必要です。

ガイド
オールステンフレーム、SiCリングのKガイドです。

オフショアロッドは基本的に持ち重りの問題は発生しないため、特に問題も不満もありませんでした。

ある意味、特徴のないガイドセッティングです。

スラッグを出しすぎてガイドに巻き付くのはオシアジガーインフィニティのXガイドも同じなので、それはガイドの問題ではなさそうですw

ブランクス

高弾性のため復元力の高いロッドです。
ただし、本家のようなパリパリなイメージではないため、高弾性ブランクスの中で細分化した場合はそれほどなのかもしれません。

曲げた時に真っ直ぐに戻ろうとするスピードと力が強いのが特徴です。
多魚種のロッドに比べると、全体的に硬くて張りがある感じのブランクスです。

テーパー
スローテーパーのため、ロッド全体に負荷をかけるとバット側から曲がり込みます。

ただし、高反発で戻りが速いため、意図的に負荷をロッド全体に分散しなければ、ターゲット次第ではティップ~ベリーまでしか曲がらずブランクスの力を生かせません。

ただし、曲げてしまえば安心感と安定感がありますので、如何に負荷をバット側に持っていくかでしょう。

スパイラルX

ロッドのブランクス構造に関わる技術です。
ダイワのX45に近い技術で、ネジリ剛性とつぶれ剛性を得ているとのこと。

ハイパワーX

シマノお馴染みのブランクス最外層をX状のテープで覆う補強技術です。
これにより見た目がかっこ良くなるのはもちろん、ねじれにも強くなるとのこと。

使用感

感度

高弾性のブランクスですが、あまり感度は良くないと感じました。
これは恐らくスローテーパーなのが関係しているのだと思います。

このロッドの高弾性要素は、曲げたロッドが全身を使って真っ直ぐに戻ろうとする速度と力に発揮されています。
そのため、バイトの感触などが、ティップ単体では反映されず、ゴツゴツとジグに絡み付く感触などはわかりにくかったです。
また、ファイトに突入しても魚次第では、岩が引っ掛かってるだけなのか魚がついているのか判別しにくいこともありました。

そこはやはりスローテーパー故に、ロッド全体を曲げ、それに対し高弾性の復元力が発揮されるため、ファーストテーパーのロッドのようにティップによる感度というのが無いようです。
また、オシアジガーインフィニティに比べると若干ブランクスが太めなため、そこも感度の差に繋がっていると思われます。

しゃくり乗りやら、テンション抜けなどのアタリだと関係ありませんが、掛けにいく必要があるような繊細なバイトは苦手なように感じます。

操作性
6.8ftの長めのレングスが特徴です。
PGのリールと合わせる筆者にとっては、6.5ftのオシアジガーインフィニティよりもスロージギングのリズムが掴みやすいロッドです。
ロングレングスのロッド全体を曲げ込み反発させジグを横に向けるイメージです。

筆者はPGリールなので基本的に巻き上げ量が少なく、アクションとリーリングで調整しながら操作しますが、そのレングス故に、細かいピッチでのアクションは正直微妙です。

また、青物狙いでワンピッチで使う場合もオシアジガーインフィニティに比べると使いにくいです。
レングスが長くスローテーパーなので、速いテンポでワンピッチジャークをしたところで、アクションがロッドに吸収され、大してジグが動いていないイメージです。
6.5のオシアジガーだとテンポよくしゃくれるので、ロングレングスは一長一短なのでしょう。

ファイト
タイラバロッドや本家スロージギングロッドのようにロッドを立てずにファイトをするか、スローテーパーを生かしてロッドをぶち曲げてファイトをするか、そのどちらかに振り切ってファイトをするべきだと感じました。

海面と水平になるくらいの、中途半端にロッドを立ててファイトをすると、バラシが多くなる気がしました。
これは恐らく、高弾性でスローテーパーのため、ティップとベリーだけでは負荷を吸収することができず、魚の動きに反発することでフックアウトするのだと思います。
ようは、根掛かりをロッドをあおって外そうとするような状況になっているのだと。

高弾性のため反発力が働くため、ロッドを極力立てずにリールのドラグ力で対応する本家のメソッドは間違いでは無さそうです。

ただ、このロッドは曲げてファイトできることも売りにしているので、どうせならぶち曲げたファイトがおすすめです。
その場合、スローテーパーを生かしてバットからロッド全体を曲げ込むイメージでのファイトがいいでしょう。
ロッド全体に対しての復元力になるので、ティップ~ベリーだけでファイトした時のようなフックアウトのリスクを低減することができます。

根本からぶち曲げておくと、青物などが首を降った場合もベリー辺りから動きに追従してくれます。
これがティップ~ベリーだけのファイトになると、ティップは追従するも硬いベリーで弾く感じになってしまいます。

曲げるか曲げないか、ターゲットによって使い分けるのが良いでしょうが、筆者的にはぶち曲げるのがおすすめです。

パワー
ロッドパワーに関してはシマノ3パワー相応だということしかいえませんw
同じ3パワーのオシアジガーインフィニティb65-3と基本的には大差はない感じです。

ロッドパワーが生きるのはロッドをぶち曲げたファイトの場合だといえます。
当然ですが、ロッドを立てずにドラグでファイトする場合はライン強度とリールの巻き上げ力での勝負となるため、ロッドが介入する余地があまりありません。

ロッドを立ててファイトした場合、高弾性ブランクスの復元力と、スローテーパーによるロッド全体を使ったリフトでターゲットを浮かせるイメージです。
そこまで引きの強くないターゲットだと余裕で浮いてきますが、青物がヒットするとアングラーにとって楽ではない感じでした。

恐らく、ロッドを真っ直ぐに戻そうとする復元力が、掛かった魚とロッドを持つアングラーに分散されるため、持ち主の体力が奪われます。
それに加え、6.8ftという長めのレングスが、余計に持ち主の負荷が増す要因となってしまっています。
その辺りが6.5ftのオシアジガーインフィニティの方が明らかに楽なので、レングスの差も大きいと感じました。

また、オシアジガーインフィニティよりもロッド全体をぶち曲げるのにコツがいるため、ブランクス径や素材やテーパーの味付けなど、その辺りが価格の差になっていると感じます。
うまく曲げきれれば安定感がありますが、曲げきれないとバラシの要因になります。
曲げて真価を発揮するロッドなのに、曲げるのが難しい印象でした。

総評

筆者のようななんとなくスロージギングや、ベイトタックルでのタチウオや青物を視野に入れたライトジギングをしたい人の最初の1本にオススメのロッドです。

ライトジギングだと他にも選択肢が沢山ありますが、スロージギングとなると選択肢が限られてきます。
やはり、スロージギングのメソッドに、ブランクスが高弾性である、というタックルに依存する要素が含まれているため、低価格帯のロッドでは難しいという現実があります。

曲げて使えるというのも、スロージギングに参入したての筆者のような初心者にも優しい要素でしょう。
番手に関しては使ってみないとわからず、フィールドや対象魚でも変わるため、お試しやサブでの選択肢としてもありでしょう。


現在は廃盤となってしまい、モデルチェンジしています。
後続の20ゲームタイプスローJはバットジョイントモデルとなり、更にレングスもやや短くなっています。