ルアりずむ

主にソルトウォーターのルアー釣りを嗜んでいます。タックルやルアーのインプレ レビューをメインで綴っていきたいと思います。ちなみにボウズが多いので、そのレベルだとお察しの上、参考にしてくだされば幸いです。

ゼナック ミュートス アキュラ 100H RG インプレ

ロックショアプラッキングに本格参入しようとして購入したロッドです。
当時のネットではロックショアジギング・プラッキングはかなりハードルの高い釣りであるという風潮があったため、それに乗っ取って購入したのがミュートスアキュラ100Hです。

ZENAQ MUTHOS Accura 100H RG

全長:10フィート0インチ
ルアーウェイト (Min~Max):Jig 30~200g、Plug 30~120g
ルアーウェイト(Best Match):Jig 50~150、Plug 40~100
ラインウェイト(Min~Max):2~5号
ロッドウェイト(average):350g


ライトショアジギングからロックショアジギングへ参入する際に購入しました。
現在はわかりませんが、当時のロックショアはかなり初心者をビビらせる傾向にあったため、最初からガチガチのタックルで参入しました。
筆者の当時のライトショアジギングのロッドはMAX60gのシマノ初代コルトスナイパー1000Mか同じくMAX60gのメジャークラフト KGエボリューション100Mでした。
(ちなみに同じMAX60gでもコルトスナイパーとKGエボリューションの毛色は全く異なり、KGエボリューションはミュートスアキュラ100Hよりもゴツく自重はともかく使用感はアキュラより圧倒的に重いロッドでしたw)

筆者のメインフィールドの和歌山の地磯はロックショアジギングが成立し辛く、プラッキングがメインとなります。
そのため、アキュラ100Hがプラグでも使いやすいとのことで、こちらを選択しました。

当初はKガイドモデルを買いに釣具屋に向かいましたが、Kガイドモデルだと1万円OFFクーポンが使えず、RGガイドモデルだと1万円値引き対象だったのでRGガイドになりました。
そのため、KガイドよりRGガイドの方が安いというよくわからない状態での購入でした・・・
現在は店頭では並んでないようで、入手のハードルは上がっているようです。

合わせるリールはオフショアで使っていた16キャタリナ5000と13ステラSW8000HGです。

仕様

ガイド
ガイドはチタンフレームSiCリングが採用されています。

バットガイドかは2本はRVガイドで、

そこから先はKWガイドが並んでいます。

RGガイドというのはゼナックの独自のガイドシステムの名称で、ガイド数を増やすことでラインの放出性を向上させ、ライントラブルの減少、感度やパワー伝達の向上を謳ったものです。

トップガイドを含めると15個ものガイドが使用されています。

インターラインロッドがよくブランクスのパワーを最大限に生かせる構造と謳っていますが、RGガイドも同様の効果が見込めそうです。

自重
数値的には350gと筆者の所有する290gクラスのライトクラスよりもワンクラス上の重量です。

ただ、ライトな部類に入るKGエボリューションよりも持った感じは軽いため、初のロックショアロッドでしたが心理的ハードルは下がりました。
RGガイドでガイド数は多いものの、チタンガイドであることが持ち重りを多少なりとも軽減していると思われます。
その点、ステンのKWが並ぶKGエボリューションは持った時の先重り感が強く、MAX60gとは思えないヘビーなロッドに感じます。

そこから入っていることもあり、ミュートスアキュラはそれほど重くない印象を持ちました。
強いて言うなら合わせるリールが重たいくらいです。

先重り感もガイド数が多い割には感じられません。
フロントグリップが長く、重心が手元に近いことが原因だと考えられます。

継ぎ


印籠継ぎが採用されています。
ショアジギングロッドは継ぎが緩みやすいロッドが稀にありますが、こちらは抜け等なく使えています。

グリップ
ヘキサゴングリップなる六角形のグリップがフロント部分に採用されています。
握りやすいかどうかは正直なんとも言えません。

パワーファイトに突入してフロントグリップを持つ際には、安定はしますがちょっと手が痛い気がします。

ただし、グリップが長いのでファイトの時は結構楽です。

リールシートにはダブルナットが採用されています。

ブランクス
心踊るテクノロジーは特にありません。

最近のロッドでは珍しくなりつつあるピアノブラックの塗装が施されています。

ブランクス自体は弾性率はそれほど高くないものがメインだと思われます。
それにより自重は増してしまっていますが、粘りのブランクスで幅広いターゲットに対応できるようになっています。

適合ルアーウエイトの高さはテーパーによるものが大きいでしょう。
ファストテーパーでティップセクションとバットセクションの強さの違うロッドです。
MH/HとかMHHとか表記されるやつですね。

使用感

飛距離
比較対象がワンクラス下のロッドしかないのでなんとも言い難いです・・・

ただ、扱えるルアーの幅は広いロッドです。
筆者は最高でも120gのジグ、90gのダイビングペンシルしか投げてないので、それ以上に関しては不明です。
キャスト感としては反発の強いロッドではないので高速で打ち出すイメージではなく、のっそりと投げる感じです。
ティップ~ベリーが柔らかいのでその反発でキャストする感じになります。
ロッド全体を使うとティップが遅れてくるイメージです。
プラグや軽いルアーはティップ~ベリーを使ってキャストし、ジグや重いルアーはロッド全体を使うとよく飛びます。

ティップとバットの強さの違うロッドあるあるですが、投げるルアーによってスイングスピードや曲げ方を変えていく必要のあるロッドだと感じました。
どのルアーも同じようなキャストで投げれる感じではないので、多少の工夫は必要です。

軽めのルアーはスイングスピード速めで強引に打ち出し、重いルアーはロッド全体を曲げてゆっくり投げるイメージです。

適合ウエイト
ジグだと35gくらいから、プラグなら40g以上は欲しいところです。
基本的にはベストマッチのルアー適合が使いやすいイメージです。
あまりに軽いルアーだと扱い難いため、ライトなルアーをメインで使う場合やベイトが小さくルアーサイズを下げる必要がある場合は苦戦します。
38gくらいのプラグが快適に投げられる下限で、35gくらいからはロッドが曲がらず打ち出すだけになってしまいます。

ジグで投げやすいのは60g~80gで、プラグはルアーの種類や形状にかなり左右されます。
インジェクションのダイビングペンシルやポッパーだと40gくらいから、ウッド製だと45g、シンキングペンシルだと35gくらいから快適になってきます。

ラインシステム
筆者のメインはPE4号にスペーサーPE8号、リーダーナイロン22号または24号でした。
その場合は必然的にリールもシマノ8000番クラスになります。

RGガイドのおかげなのか、スペーサーシステムのロングリーダーをリールに巻き込んでもライントラブルはほとんどありませんでした。
ただし、これがKガイドならどうなのか、と言われれば、試した訳ではないので必ずしもRGガイドの恩恵とは言い切れません。
筆者はPE2号のライトタックルではスペーサーは挟まないので、比較対象がなく断定できない感じです。

ライントラブル
ガイド数が多いのが功を奏してか、ライントラブルは少ないと感じました。

プラグ操作の都合上、ラインのテンションが常に変化しますが、それがガイドに絡まるトラブルはほぼありません。
ただ、リールからバッドガイドまでの間で発生するトラブルは他のロッドと同じで未対応です。
強風時にトラブルになりやすいのは、むしろ後者のリール周りなのでRGガイドがトラブルレスかどうかと言われると微妙でしょう。
多少まし程度です。

操作性

プラグ操作
こちらも比較対象がないのでワンランク下のライトロッドとの比較です。

触っただけだとライトロッドよりも明らかに硬いですが、使ってみると意外とティップが柔らかいのでプラグ操作のしやすいロッドです。
ポッパーやダイビングペンシルなどのトップ系のルアーも操作しやすくミスダイブになりにくいです。
筆者的にはもう少しレングスがある方が足場の関係で操作性が上がるのですが及第点でしょう。

柔らかいティップはミノーやシンペンなとの巻きのルアーとも相性が良いです。
足元まできっちりと引こうとティップを下げて巻いている時にバイトがあると、ロッキーショア111や110だと合わせミスになりやすいですが、ミュートスアキュラ100Hだとティップが衝撃を吸収してくれるのでロッドを立てるまでの時間を稼いでくれます。
その点は10ftという長さが絶妙で、事実上のされた状態からスタートとなるリトリーブからのファイトではロッドを立てやすくフッキングを決めやすいです。

ジグ操作
ティップが柔らかいのでジグ操作はベリー~バットでジャークするイメージです。
60g~80gだとそれほど違和感はありませんが、120gくらいからティップが衝撃を吸収しすぎてシーバスロッドでジグをしゃくるイメージに近くなってきます。
ジグ操作だけなら100gまでが扱いやすいです。(当然、ジグの形状にもよります)

そもそも、反発力が弱くハリのあるロッドではないのでジグ操作はそれほど快適なロッドではありません。
戻りが遅いのでジャークに対して遅れてくるイメージです。
筆者がオフショアでよくやるピッチ長めのロングジャークだとロッドの戻りを少しは活かせますが、ショートピッチなどの速いジグ操作は正直向いてません。
ジギングロッドだとジグ操作をロッドが反発で助けてくれますが、アキュラ100Hはそれがほとんど期待できず、自分で頑張ってジグを動かす感じになってしまいます。

ただし、ジグのジャーク中にバイトを掛けるのは得意です。
オフショアジギングの硬いロッドでジャーク中のバイトに合わせが決まらず弾いてしまうような状態にはなりません。
ティップが柔らかいのでアタリを弾き難いです。

ファイト感
ある程度の大物だとティップは瞬殺され、ベリーもすぐにぶち曲げられます。
そのためバットの復元力でファイトするイメージです。

ロッドを触っただけだと、ティップ~ベリーも十分硬くがっちりしてますが、大物ファイトだとあっさり曲げられます。

そのため、急に突っ込まれるとティップ~ベリーが衝撃を吸収しきる前にバットに負荷が掛かるので一瞬ヒヤヒヤさせられます。

突っ込みや走りに対してはほぼバットでの勝負になります。
ティップ~ベリーは走りに追従し負荷を逃がすことに徹するので、体力を奪うための復元力はあまり発揮されない気がします。
唯一の救いはバットがカチカチ系ではなく、粘りと復元力でじわじわと負荷をかけるタイプなので、ラインブレイクやフックが伸ばされるリスクは少ないです。
(ラインシステムもフックも強いというのはあるかもしれませんw)

高反発なロッドではないものの、バットメインのファイトになるとレングスが短くタメが効きにくい、どちらかというとオフショアジギングロッド的なファイトになります。
粘りのブランクスなので、それで体力を奪いじわじわと浮かせるイメージです。

なので、印象としては思ったよりも曲げられる、ですw
触った感じは硬いんですが、ダイコーロッドのように弾性率高めのカチカチロッドではないので、負荷がかかると予想以上に曲げられます。
粘りのブランクスの典型的で、ヤマガブランクスとかテンリューのロッドに近いです。

なので、パワーファイトでも言うほど力押しになりません。
ねじ伏せる感じではなくじわじわ寄せる浮かせる、といった地味なファイトです。
豪快なファイトや使用感を求めるならDuroシリーズやアキュラでもレーシングモデルの方が向いてそうです。


適合リール

オーソドックスな組み合わせはシマノ10000番(旧8000)やダイワ8000番(旧4500番)にPE4号以上のシステムでしょう。
ロッドのパワーを最大限に生かしたい場合はこちらが無難です。
プラグメインならXG、ジグも使えて汎用性が高いのはHGです。

ただ、ロッドの特徴からいって、PE2号~3号タックルの運用もアリで、その場合はシマノ6000番やダイワ6000(旧3500)なども選択肢に入ります。
というのも、PE2号クラスのロッドはルアー適合ウエイトの上限が80gまでのものが多く、重たいルアーを投げたいシチュエーションでは使えないという都合があります。(MAX80gのタックルでは適合上限に近いルアーはすこぶる扱いにくいので事実上選択肢に入らないというのもあります)

ベイトサイズが大きい場合や、荒れていて大きいルアーでアピール力を上げる必要がある場合など、ライトラインでも大きいルアーを投げたい時は、ミュートスアキュラ100Hにシマノ6000番の組み合わせでライトタックルを組むことができます。

また、沖磯で80g~100gのジグをしゃくりたいならアキュラ100HにPE2号のシステムが使いやすいです。
前述した通り、MAX80gのロッドで80gのジグは扱いにくいので、その場合はアキュラにした方が快適です。
(ジグ操作やファイトに関してはPE2号でもシマノ8000番の方が楽です。後々の疲労感も高いですが・・・)

高弾性ロッドでこれをやるとラインブレイクやフックが伸びるシステム上の弊害が起きたり、ブランクスの力を生かせなかったりしますが、ミュートスアキュラ100HだとPE2号でもブランクスの力をフルに発揮できるので、ライトタックルとしての運用はおすすめです。

適合ルアーウエイトやカタログスペック、釣果報告に惑わされがちですが、ロッド自体はそこまでガチガチな感じではありません。
2号なら5000番、3号なら6000と8000どちらも選択肢に入り、4号なら8000番~14000番、という選び方が無難でしょう。
アキュラ100Hに合わせてタックルを組むのではなく、リール・ライン・ルアーのタックルシステムにミュートス アキュラ100Hを合わせる、というのが理想でしょう。

4号8000番が最低ラインというフィールドがメインの方は100HHの方がベストな可能性が高いです。
そういった魚のアベレージの高いエリアで運用する場合アキュラ100Hでは物足りないと感じるかもしれません。

総評

ライトタックルに回帰したので最近では出番がなくなってしまったロッドです。
オフショアジギングのライト化によりPE2号に対する信頼度が上がったことで、ショアプラッキングもそちらがメインになってしまいました。

幅広い適合ルアーウエイトと、粘りのブランクスにより、様々なタックルセッティングに対応できるロッドです。
そのため、フィールドにマッチしたタックルセッティングにミュートスアキュラ100Hを添える、という使い方ができるのが魅力的なロッドです。

比較対象がないため、今後の同クラスのインプレの基準となります。
ここ数年出番がないので強制的にインプレとしました。

筆者が買った頃は店頭ではRGもKガイドも並んでいました。(当時からネット上の在庫はありませんでしたが)
一時期、メーカーの受注生産予約待ちでしか購入できませんでしたが、現在はオフィシャルショップで購入できるようになっています。