エギング用の12ヴァンキッシュからの乗り換えで購入したのが19ヴァンキッシュです。
16ヴァンキッシュは見送ったものの、12ヴァンキッシュのオーバーホール間隔が短くなってきたため、入れ替えとしました。
SHIMANO 19ヴァンキッシュ C3000MHG
ギア比:6.0
実用ドラグ力(kg):3.5
最大ドラグ力(kg):9.0
自重(g):170
スプール寸法(径mm/ストロークmm):47/17
最大巻上長(cm/ハンドル1回転):89
ハンドル長(mm):55
ベアリング数(BB/ローラー):11/1
4年周期を破って3年で登場したのが19ヴァンキッシュです。
その背景には競合の18イグジストの存在と、16ヴァンキッシュのコアプロテクトのやり直しがあるでしょう。
ツインパワーSWの周期と重なった15年と異なり、ツインパワーだけではラインナップが弱いというのも理由でしょう。
長く愛用した2台の12ヴァンキッシュですが、その内の1台がオーバーホール後の初期性能の持続時間が短くなり、ややコツコツ感やシャリシャリ感が出始めたため、思いきっての乗り換えとしました。
オーバーホールの費用が高くつくようになってきたため、維持費が高いという問題がでてきました。
そこで候補になったのが、19ヴァンキッシュです。
19ヴァンキッシュから、ボディがマグネシウムとCi4+のハイブリッドボディになり、当時はやや物議を醸しました。
筆者はエギング、ティップランが主な用途となりますので、剛性云々はそこまで重視する必要もないと、迷わず19ヴァンキッシュを選択です。
正常な12ヴァンキッシュと19ヴァンキッシュの2台体制でやっていこうと考えていましたが、いざ、19ヴァンキッシュを手に取るともはや別次元の巻きの軽さでしたw
正常な方の12ヴァンキッシュが、異常があるとしか思えない程の巻き感の違いに衝撃を受けます。
ハンドルはリブレのウイング100を継承しています。
機能
ローター
カーボン系樹脂のCi4+ローターを搭載しています。
16ヴァンキッシュのローターから更に改良された新型のマグナムライトローターとのこと。
ロングストロークスプールになってローターが縦に伸びた分、少し長くなっています。
更に、ローターのスカート部分がスリムになっています。
縦に伸びたためか、ラインローラーやベールアームとの接続面のローターは12ヴァンキッシュより柔らかい印象ですが、さすがに2世代変わると総合的に進化していると感じます。
ボディ
ハイブリッドマグネシウムボディです。
リールフットから繋がる部分がマグネシウムで、ボディと繋がる部分がCi4+になっています。
展開図によるとマグネシウム側がフタとなり、Ci4+側がボディになります。
一応、従来のCi4+とは違うとのこと。
発表後は賛否両論ありましたが、使ってみると特に気になる点はありませんでした。
少なくとも12ヴァンキッシュよりは強度が増した気がします。
マイクロモジュールギア2
こちらも気が付けばスタンダードになった技術です。
巻き上げの力が上昇していると感じる部分です。
前のマイクロモジュールギアよりも歯の数が増えてより巻き上げ力の向上に繋がっているとのこと。
ギアの耐久力に関しては現時点では問題なく使用できています。
12ヴァンキッシュも初期の頃は異常なしで使えていましたが、古くなってくると毎度ギア交換になっていたので、今後、どのような異常が出るのか出ないのか、経過を見守る必要があります。
サイレントドライブ
内部のワッシャーなどのパーツを見直した、とのこと。
これによりガタなどが抑えられているようです。
ロングストロークスプール
ステラの特権だったロングストロークスプールがヴァンキッシュにも降りてきました。
と、思ったらそのまま下まで降りていきスタンダードになりましたw
単純な体感レベルでは違いはわかりにくい要素でしょう。
少なくとも理論上は上昇するみたいです。
Xプロテクト
汎用タイプのXプロテクトが採用されています。
16モデルのコアプロテクトに比べると格段に防水性能は上がっています。
12モデルと比較するのは言わずもがな。
使用感
自重
C3000HGで170g
16ヴァンキッシュC3000HGで185g
12ヴァンキッシュC3000HGで195g
やはり2世代変わるとその軽さもより一層際立ちます。
12ヴァンキッシュでも軽いと感じていましたが、19ヴァンキッシュはもはや別物です。
12モデルからの25gの差は数値以上に、実際に使うとその差が感じられます。
タックル総重量を下げて感度や操作性を上げたい人には特にオススメです。
特に軽量化を意識せずにタックルを組んでいる場合でも、このリールを装着するだけでその恩恵が得られますw
巻き心地
圧倒的軽い巻きです。
正常な12ヴァンキッシュが異常に感じられるほどの巻きの軽さがあります。
元々は12ヴァンキッシュと19ヴァンキッシュの2台体制で行く予定でしたが、あまりにも巻き感が違うので、もう一台は20エクスセンスを買い足して交換となりましたw
ハイギアであることを感じさせない初動の軽さと、止めたい時にピタッと止まるレスポンスの良さは更に進化していると言えます。
感度
タックル総重量が増したことによる感度の向上は感じられます。
ただ、ローターの感度に関してはそれほど12ヴァンキッシュと大差がなく、剛性がないことによる巻きの変化に関しても12ヴァンキッシュより強化されているせいか、それほど感じられる要素ではありませんでした。
その辺りはリール個別の問題よりコンセプトの問題なので、同系列だとそこまで差を実感できないのかもしれません。
それに加え、筆者の使用がエギングやティップランがメインだということもあり、19ヴァンキッシュになって強化されたと感じる部分はやはり、タックル総重量が軽くなることによる感度の向上でしょう。
リールパワー
リールパワー自体も12ヴァンキッシュよりも上昇しているのを感じます。
マイクロモジュールギア2になって、巻き上げの力が増した、というのが一番大きな要素でしょう。
賛否両論のハイブリッドマグネシウムボディも、実際に使用している範囲では全く問題は感じられません。
むしろ、リール全体を総合的に見た場合は剛性が増していると感じます。
それを特に感じるのは青物のナブラ撃ちでの使用です。
12ヴァンキッシュは強烈な引き込みなどの負荷が加わると、なぜかフリクションリングが外れることが多々ありました。
負荷がかかるとローターやボディが変形してしまうのか、中のフリクションリングが噛み合わなくなり外れてしまいます。
そういった若干面倒なトラブルが12ヴァンキッシュでは何度かありましたが、19ヴァンキッシュはライン強度とロッドが許す限りのパワーファイトにも応じてくれています。
そのため、パーツの部分部分で見れば変化は感じられにくいですが、総合的に見るとリールパワーや剛性は少なくとも12ヴァンキッシュよりは増していると感じます。
他リールとの比較
20ツインパワーC3000などのノーマルギアのリールとは同番手とはいえ土俵も用途も違いすぎて、比較対象にはなりませんでしたw
なので、結局12ヴァンキッシュとの比較です。
12ヴァンキッシュC3000HG
マグナムライトローターも2世代変わっています。
ロングストロークスプールになったことによる高さと、ローターのスカート周りが大きく変更されています。
また、ボディがフルマグネシウムからCi4+とのハイブリッドマグネシウムボディになっていますが、ギアがかなり強化されているため巻き上げの力は体感できるレベルで19ヴァンキッシュが上がっています。
12ヴァンキッシュはギアのサイズが小さかったこともあり、ギアの耐久力にやや問題がありました。
16モデルでギアサイズが上り、19モデルで歯の数が更に増えたとのことで、強度面は上昇したと思いたい部分ですw
この点に関しては今後、どのような頻度でギアが損傷するのか、経過を見守りたいと思います。
総評
リールの進化を感じさせられました。
やはり2世代の差は大きいですねw
単純に進化しているので、あまり語ることのないリールです。
正直、修理不能になるまで12ヴァンキッシュで全く問題ないと考えていましたが、12ヴァンキッシュのちょっと気になる点が見事に改善されていました。
ロッドと違ってリールは、スタイルや釣り方そのものを変えてしまう程の差はありませんが、それらを裏で支えてくれている重要な要素といえます。
12から19ヴァンキッシュへの変更でナブラ撃ちなどでも使いやすくなったというのは、個人的にはかなりの強化です。
そこで気になるのが次のヴァンキッシュがどうなるのかでしょう。
注目されるのは、マグネシウムボディはハイブリッドを貫くのか、フルマグネシウムに戻すのか・・・
また、ここから更にどう軽量化するのかも注目でしょうw
パワーよりも軽量化や感度が求められるジャンルでは、最高峰のリールです。