ルアりずむ

主にソルトウォーターのルアー釣りを嗜んでいます。タックルやルアーのインプレ レビューをメインで綴っていきたいと思います。ちなみにボウズが多いので、そのレベルだとお察しの上、参考にしてくだされば幸いです。

オリムピック 15 ヌーボパグロ 692ML-S インプレ

オリムピックから出ているタイラバロッドです。
更なるタイラバ本格参入のため、紅牙X69HBからの乗り換えとして購入しました。

現在も現役で活動しているロッドです。
そのため、立ち位置的にはファーストイプレッションになります。
別途発見があれば加筆、または次のイプレッションとして綴りたいと思いますw


OLYMPIC ヌーボパグロ GNPC-692ML-S

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全長 2.05m
パワー M-Light
アクション Fast
標準自重 114g
仕舞寸法 158.8cm
先径 0.7mm
継数 2本
ルアー MAX100g
PEライン MAX1.2号
定価 29,000円

“最も使用頻度の高い100gまでのタイラバに対応したベーシックモデル。低弾性ソリッドをティップセクションに搭載し、継ぎ目を感じずスムーズにベントするチューブラーのベリーからバットセクションが抜群の粘りとパワーを発揮します。また独自のファーストテーパーによりリトリーブのみでオートマチックにフッキングすることが可能。”
公式HPより

センターカット2ピースという縛りで購入したのが紅牙X69HBでした。
適合ウエイトはMAX100gで間違いないというのは紅牙Xで確認済みなので、最初からMAX100gからの選択です。
今度はバッドジョイントまで視野に入れているので、選択の幅は一気に広がりました。
穂先が折れた時の修理代が怖いので、ワンピースロッドは除外ですw

問題はどのメーカーのどのモデルにするか・・・
フルソリッドやチューブラー、カーボンソリッドにグラスソリッド、ファーストテーパーにスローテーパー、もはや無限とも思える組み合わせと方向性と選択肢があり、どれが筆者の釣りにあっているのか、かなり決めかねました。

結果、紅牙X69HBを参考に、もうちょっとこうだったら・・・、と思った要素を抜き出し、カーボンソリッド・ファーストテーパーのこのヌーボパグロを選択しました。

ちなみに、筆者使用のオリムピックのロッドとしては、スーパーティーロに次ぐ2番目に購入したロッドになります。

仕様

自重
メーカー表記で114gです。
これはオフショアロッド全般に言えることですが、基本的にショアほど自重が気になることはありません。
キャストの必要もなく、レングスも短いため、ロッドが重くて苦になることはほとんどありません。

ただし、軽い方が感度の面で優れていることは確かです。

このロッドに関して、特に自重で思うところはありませんでした。

ガイド
ティップセクションのみチタンフレームKガイドが採用されています。
その他の部分はステンレスフレームKガイドです。

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ティップ部分がチタンガイドで軽いため、持った時のバランスは良く仕上がっています。

ジョイント
グリップジョイントになっています。
そのため、持ち運びの難は少しだけ解消されています。

ブランクスの真ん中に継ぎがないため、ロッド全体を曲げ込むシチュエーションでは、スムーズな曲がりを見せます。

ブランクス

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ベリー~バッド部分は艶消しサンドと赤い塗装に覆われています。

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ベリー~ティップにかけてはアンサンドフィニッシュです。


タイラバロッドとしては珍しく、全体的にシャキッとしたブランクスです。

ライトウエイトグラファイトクロス

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グラファイトクロスの軽量版だとのこと。
そのグラファイトクロスとは、カーボン繊維を2方向にクロスさせているもので、一言で言えば2軸カーボンでしょうか?
4軸カーボン同様、捻れ・潰れ剛性が向上するとか。

肝心の効果の程ですが、例のごとく、筆者ごときには理解不能でした。
しかし、今回ばかりは筆者のみの責任ではありません。

というのも、ヌーボパグロのライトウエイトグラファイトクロスの搭載箇所が、セパレートグリップのセパレート部にしか確認できなかったからですw

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まあ、グリップ部の剛性は割りと馬鹿にできないので(ファイトで折れたことがあります。)、そこの補強という意味ではありでしょう。

なので、バッドなどに搭載されている訳ではないので、テクノロジーを重視している人は注意が必要です。

G-MAPS
オリムピックではお馴染みの異なる方向のカーボン繊維を重ねるブランクス構造です。
ダイワのX45やシマノのスパイラルXに当たる潰れ剛性と捻れ剛性を確保する技術です。

目には見えませんが、ブランクスの根幹に関わっている重要な技術です。

O.S.S
感度を解析、数値化してロッドの設計に取り入れる技術だそうです。
他社ではダイワのESSが最もそれに近いです。

この技術のおかげかどうかは断定できませんが、確かに感度の良いロッドに仕上がっています。

感度

ティップ
カーボンソリッドティップです。
ソリッド自体はよくある0.7mmのカーボンソリッドで特に特徴はありません。
ただし、チタンガイドのお陰で穂先のレスポンスはよくなっています。

そのため、目感度は優れています。
小刻みに震えるアタリによる振動や、着底やフォール中のアタリによるテンション抜けなども、ティップによく反応が出ます。

赤いスレッドでマーキングされていますが、こちらも見やすく問題ありません。

特に抜き出た要素はありませんが、ソリッドティップとしての仕事はしっかりとこなしている印象です。

テーパー

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ファーストテーパーです。
このロッドの決め手の一つです。

紅牙X69HBはレギュラーファーストに近いロッドでした。
そのデメリットは、着底がちょっとわかりにくく、小さなアタリもちょっとわかりにくい、ことです。
このちょっと、というのが味噌です。

決してわからない訳ではないですが、もうちょっとハッキリとわかった方が釣りやすい、そういう思いがあった訳です。

実際、このヌーボパグロは着底のタイミングも、小さなアタリはもちろん、鯛が後ろに張り付いたことによる水流の変化、前アタリも分かりやすいロッドです。

柔らかいソリッドから張りのあるベリーへと突入するので、手感度には非常に優れています。

この点はとても満足している部分です。

使用感

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操作性
MAX100gですが、120gとかでも普通に使えます。
そこは潮や船の流れ方を見て最適なものを選択すれば問題ないと思います。
極端に重いものでなければ問題ないでしょう。
ただし、自己責任ですがw

ファーストテーパーと高弾性寄りのブランクスの恩恵か、リトリーブによるタイラバの動きは伝わってきやすいです。
底を切ったのか、潮が変わったのか、などの情報もよく伝わってきます。

パワー
ロッドパワーそのものは、MAX100gのMLクラス相応だと感じます。
そこは紅牙と同じく、真鯛で想定されるサイズであれば、基本的にはとれるロッドです。

ファイト感は紅牙X69HBやシーウォークタイラバ68MLとは全く異なります。
上記の二本はどちらかというと、弾性率の低いカーボンによる粘りでじわじわと負荷をかけるタイプのロッドですが、ヌーボパグロ69HBはその真逆です。
ファーストテーパーによる硬めのベリー~バットで、尚且つ、高弾性寄りの戻りの速いブランクスの復元力で負荷を与えて寄せるタイプのロッドです。

そのため、ロッドパワーそのものは確かにあります。
復元力でぐいぐいと寄せてくるイメージですが、首をブンブン振られて暴れられるとちょっと怖い、と思うロッドでもあります。

まあ、あまりタイラバでドラグガチガチの人は見ませんが、適度に弛めておかないと、首振りと復元力による反発力によりばらしてしまう可能性はあります。

その辺りはロッドの特性なので、好みに当たりますが、このロッドはいなして獲るタイプのロッドではないということです。

掛け調子なのか乗せ調子なのか

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どちらもこなせるロッドです。
ファーストテーパーなので、合わせを入れても掛けやすいロッドです。
ロッドが曲がりすぎてフッキングがうまく決まらない、という状態にはなりにくいです。

ソリッドから硬いチューブラーに突入するので、ベリーを使ってフッキングを決める感じになります。

かといって、アタリがあっても合わせず巻き続けても、自動でフッキングさせることも可能です。
むしろ、メーカー的にはこちらの用途を想定しています。
ファーストテーパーの硬いベリーで自動的にフッキングさせる、というコンセプトみたいです。


ただし、どちらもこなせる代わりに、突き詰めればどちらも中途半端なロッドといえます。
究極的には、掛けることに特化すれば、ソリッドティップは邪魔になりかねません。
乗せに特化すれば、ファーストテーパーよりもレギュラーやスローテーパーの方が良いでしょう。

汎用性

汎用性はとても高いです。
0.7mmのカーボンソリッドとファーストテーパーの組み合わせにより、他の釣りでも使いやすいタイラバロッドになっています。

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ロッド自体がシャキッとしていて、ファーストテーパーなので、ティップランやイカメタルとの相性も抜群です。
筆者はそれらの釣りのベイトタックルではこのヌーボパグロを代用しています。

ファーストテーパーなため、他のタイラバロッド以上に流用しやすいロッドになっています。
特に、ソリッドティップを使った感度を必要とする釣りにはかなり適しています。

総評

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タイラバロッド全体的から見ると、ちょっと特殊なロッドになります。
MAX100gとカーボンソリッドという単純なスペックだけを見れば、王道を行くモデルなんですが、ファーストテーパーというのが、このロッドの最大の特徴と癖になっています。

カーボンソリッドによる目感度と、ファーストテーパー高弾性カーボンによる手感度の高さ、それらの要素による復元力と反発力を生かしたファイト感が特徴のロッドです。

端的に言えば、ダルい感じのタイラバがしたくない人向けのロッドです。

価格帯も2万円台後半なので、それらの要素が当てはまる人には、かなりオススメのロッドです。