カラマレッティープロトタイプDueからの乗り換えです。
ソリッドティップでアタリを取りに行くスタイルに興味を持ち、その後そのスタイルに傾倒していくことになります。
また、陸っぱりからケンサキイカを狙うライトエギングにも興味を持っていたので、兼用で使える繊細な穂先を持つロッドにとても興味がありました。
Dueの感触が良かったので、試しがてら16カラマレッティー862ML-Sを購入しました。
OLYMPIC 16 Calamaretti GCRS-862-ML-S
全長 2.52m
パワー M-Light
アクション Fast
標準自重 93g
仕舞寸法 129.0cm
先径 1.3mm
継数 2本
エギ 1.8-3.5号
PEライン 0.4-1.0号
定価 28,000円
“操作性を重視した2.52mというロッドレングスと軽さが軽快なシャクリを可能に。秋イカを攻略する上で使用頻度の高い2.5号~3号のエギが快適に扱えるMLパワー。”
公式HPより
16カラマレッティーのラインナップ上、唯一のソリッドティップモデルです。
カラマレッティーシリーズを気に入ってしまったため、事実上の選択肢がこれしかありませんでしたw
プロトタイプDueにはソリッドはなく、エサゴナーレにはラインナップに存在しますが、お試しで買うには高すぎます。
そのため、迷うことなく購入に踏み切りました。
仕様
自重
メーカー表記で93gととても軽いロッドです。
8.3ftのレングスと相まって、持ち重りを感じることはまずありません。
ティップセクションがチタントルザイトリングKガイドでバット側がステンSiCというガイド配列も持ち重りを軽減していると感じます。
一日中しゃくっていても、疲れない重さです。
ガイド
KRコンセプト採用ロッドです。
Dueと同じくKL-H KL-H KL-Mと続きます。
KL-Hの第8ガイドから第5ガイドまでがステンレスフレームSiCリングのガイドで、
第4ガイド~第1ガイドがチタントルザイトのガイドとなります。
購入時の価格が23,000円でしたが、その価格帯のロッドとしては珍しいチタンフレームとトルザイトリングを採用していて、コストパフォーマンスは非常に高いロッドです。
ティップセクションがチタンガイドとトルザイトリングで軽くなっているので、持ち重りの軽減にも繋がっています。
また、KRコンセプトの糸抜けは良く、飛距離アップにも大きく貢献していると感じます。
ただただコスパの高さが光るガイドセッティングですw
ブランクス
G-MAPS
お馴染みのオリムピック独自のブランクス構造です。
シマノのスパイラルXやダイワのX45のように、異なる方向のカーボンシートを重ねて潰れ剛性と捻れ剛性を強化しています。
目には見えませんが、ブランクスの根幹に関わっている重要な要素です。
クワトログラファイトクロスXX
立体的にカーボンが織り込まれたオリムピックの新しい4軸カーボンによる外装補強です。
6軸組布のエサゴナーレグラファイトクロスの後継技術に当たるみたいです。
今までの4軸カーボンは平面的な平たいカーボンでしたが、こちらは編み込まれているため立体的になっています。
こちらもロッドをカーボンシートで外部から補強する技術です。
曲げ、捻れに貢献しているそうです。
ちなみに、クワトログラファイトクロスXXの搭載部分は上の写真のバッド部分になります。
バットのロゴネームの部分まで搭載されています。
オリムピックの伝統的に、ヌーボシリーズ(16シリーズ)はバット部の根本のみ、プロトタイプがティップ側の一番下のガイドまで、スーパーシリーズがフル装備となっています。
16カラマレッティーの搭載箇所では物足りない感じもしますが、ダイワのモアザンブランジーノも外装補強の3DXが同じ部分までしか搭載されていないので、バット補強の意味ではこれでも十分な効果があるのでしょうw
使用感
飛距離
ソリッドティップモデルですが、エギはよく飛びます。
ソリッド部分の先径が1.2~1.3mmくらいあり太めなため、穂先のブレが発生しにくくキャストを妨げません。
他のソリッドティップのロッドの様に、繊細な穂先に気を使いながら投げる必要がないため、ロッドを振り切れることも飛距離アップに影響していると感じます。
レングスは8.3ftですが、ファーストテーパー、固めのソリッドティップ、KRコンセプトの3つの恩恵により、ソリッドティップのエギングロッドとしては良く飛ばせる方だと感じます。
後に購入した同じソリッドティップのカラマレッティー エサゴナーレ902ML-Sより投げやすく飛距離も出ますw
ただし、筆者の使用してきたロッドの中ではレングスが短いこともあり、やはり8.6ft級のチューブラーロッドには全く及びません。
ソリッドティップ
このロッドを選択した最大の理由がソリッドティップ搭載ロッドです。
日中のデイエギングでテンションフォールと共に穂先を送り込んで違和感を拾うメソッドでの使用を想定していました。
穂先が入り込むアタリ、テンションが抜けるアタリ、そしてそれらが微弱にしか出ない居食いのアタリを拾えるのが最大のメリットです。
結論から言うと、ソリッド部分が硬すぎました。
元々ノーマルエギでは難しいメソッドのため、DEEPモデルのエギを使うか、仮面シンカーかアゴリグシンカーで重量を上げる必要があったのですが、16カラマレッティー832ML-Sの穂先ではDEEPモデルのエギだけでは固すぎて穂先を曲げることができません。
上が16カラマレッティー832ML-Sの1.3mmの穂先です。
下がエサゴナーレ900ML-Sの0.9mm穂先です。
0.9mm穂先はティップランやタイラバなどのソリッドティップとしてよく使われている太さです。
上の写真を見ていただければわかりますが、ソリッド部分の穂先が太く、それが筆者が想定していたよりも硬かった訳です。
結局、ノーマルエギに5gでは微妙、はっきりと変化を捉えたければ10gの錘追加が必要となってしまいました。
微妙な5gでも十分にメソッドは成立して、結果的にアタリとイカもとれた訳ですが、目感度が悪いために神経を削りますw
穂先の変化を目で捉えるには余り向いていないロッドです。
しゃくり感
ソリッドティップであることを気にせずに、細かいジャークから激しいジャークまでこなしてくれます。
やわらかいソリッドがブレブレでジャークを邪魔する、という状況にはなりません。
ファーストテーパーと硬いソリッドのお陰で、通常のMLクラスのロッドとしてアクションをつけることができます。
とてもしゃくりやすいロッドです。
ライトエギング
こちらのロッドをケンサキイカ狙いのライトエギングでも使用しましたが、問題なく活躍してくれました。
上記の通りソリッドだけでアタリを取るのは難しいですが、オバマリグなどの2連式の仕掛けで、下のエギを3.0~3.5号にすることで穂先を使ってテンション抜けのアタリを取ることができました。
2.5号だと穂先が入るアタリはとれても、穂先が曲がらないのでテンションが抜けるアタリを取るのは難しかったです。
総評
このロッドの是非は硬いソリッドティップをどう解釈するかで決まります。
陸っぱりティップランにように、繊細な穂先で違和感やアタリを感じとる釣りを想定している場合は、残念ながらこのロッドは適さないと思います。
筆者のような、テンションフォールでロッドを送り込み、僅かに曲げた穂先の挙動でアタリをとるスタイルにも向いていません。
繊細な穂先ではないので、僅かに穂先を曲げる、というのがまず難しいです。
ただし、意識的にソリッドを活用しようとしないスタイルでは、その恩恵はあると感じます。
ソリッドが硬いため情報の伝達力も高いのか、ロッドやラインに伝わる振動を拾うことに適しています。
また、穂先が硬いとはいえチューブラーよりは柔らかく反発せずに曲がり込むため、身切れしにくくジェット噴射にも追従してくれるでしょう。
どちらかと言うとチューブラー寄りの、目感度に頼らないソリッドティップロッドです。
ソリッドティップのロッドを探している人よりも、チューブラーで柔らかい穂先を探している人にこそオススメしたいソリッドティップロッドです。