筆者のティップランロッドとして、最も酷使することになったロッドがこのセフィアSS S606M-Sです。
このロッドで3300gのレッドモンスターもキャッチしている思い入れの強いロッドです。
現在は同名の後続ロッドにモデルチェンジしていますので、今回のインプレは初代セフィアSSティップエギングの方になります。
シマノ 15セフィアSS ティップエギング S606M-S
長さ 6.6feet
適合エギサイズ(g) MAX90
適合ラインPE(号) 0.4-1.0
継数(本) 2
仕舞寸法(cm) 102.7
自重(g) 97
イカ先生監修の本格ティップランロッドです。
それまでのシマノのティップランロッドは、ボートエギングという位置付けのラインナップであり、ティップランの現場で求めるスペックとは若干異なるものでした。
具体的には、ルアーウエイトが軽くティップランで使うにはライトな設定だったり、レングスが長すぎたり、などです。
それがこのセフィアSSティップエギングから、ティップランに適したレングスと、ルアーウエイトに変更されることとなりました。
以後、続々とリリースされることになるセフィア ティップエギング シリーズは、共通して同じ方向性のロッドとなっています。
その最大の特徴はレスポンスが良く長いソリッドティップが採用されている、ことです。
筆者がティップランに本格参入するタイミングでセフィアSSが発売されたため、購入することになりました。
実売価格で1万円台後半のロッドでした。
仕様
センターカット2ピース
持ち運びに便利なセンターカット2ピースモデルです。
並継ぎになります。
継ぎがあることを逆手にとって、バット側の径は太くなっています。
ガイド
SiCリング、ステンレスフレームのKガイドです。
KL-Hなどの脚の高いガイドから始まるKRコンセプトが採用されています。
ラインの放出性は高く、エギを沈下させる際にもスムーズにラインを送り出すことができます。
ソリッドのティップセクションはLBDガイドが採用されています。
穂先絡みなども少なく、この辺りの不満はありません。
ガイドシステムに関しては抜け目がないといった印象です。
重量
メーカー表記で97gです。
ショアとは違いキャストの必要がないので、自重はあまり気になりませんが、それでもやっぱり軽いです。
6.6ftのレングスと相まって、ずっとしゃくっていても疲れにくい重さです。
ブランクス
ブランクスは全体的に硬めな仕上がりです。
ファーストテーパーです。
ソリッド部のティップは勿論柔らかく、チューブラーのベリーからいきなり硬くなります。
そのため、フッキングの動作はしやすいです。
深い位置で掛けてもカンナを貫通させやすいです。
逆に、秋の新子狙いではゆるめのドラグ調整にしておかないと、フッキングで身切れするので注意が必要です。
心踊るテクノロジーはハイパワーXのみです。
後継モデルからはスパイラルXが搭載されるようになっています。
ハイパワーX
ロッドの外装をX状のカーボンテープで覆う外装補強のテクノロジーです。
ネジレを抑える効果があるとのことで、ティップのソリッドの手前まで搭載されています。
タフテック
折れる気のしないシマノ独自のソリッドティップですw
チタンのメタルトップとはさすがに比較になりませんが、通常のよくあるカーボンソリッドと比べると圧倒的に耐久力が高いです。
他のソリッドなら折れるようなシチュエーションでも、タフテックなら耐えてくれます。
ティップランロッドの穂先はかなり破損しやすいので、この点はかなり評価の高いポイントです。
使用感
操作感
とてもしゃくり易いロッドです。
MAX90gなだけあって、重たいエギでも楽にしゃくることができます。
バット側の♯2が全体的に硬く太いので、主に硬いバットでしゃくるイメージになります。
レングスが6.6ftと短いこともあり、しゃくる動作は楽にこなすことができます。
重たいエギも楽にしゃくれるので、疲れにくいロッドです。
ロッドパワー
ロッドパワーはティップランロッドとしては十分なパワーがあります。
イカに関してはこれ以上備える必要はないと感じました。
さすがに3300gの時は瞬殺ではありませんでしたがw
2900gの時は楽にあげることができました。
その辺りはかけた時の水深や、潮や船の流れ方で大きく変わるので、一概には言えないところです。
イカの大きさよりもそっちの要因の方が大きいかもしれませんw
少なくとも、アオリイカを狙うのであれば、パワーとしては十分です。
ソリッドティップとアタリ
タフテックかどうか、というより、穂先のテイストが他社のティップランロッドとは若干異なります。
これはセフィアSSティップエギングの仕様というよりは、イカ先生監修のセフィア ティップエギングシリーズの特徴です。
その最大の特徴はソリッド部分が長くて柔らかく、レスポンスが良い、という点です。
この点が、他のティップランロッドにはないメリットとデメリットを生んでいますw
基本的にカーボンソリッドのティップは柔らかいです。
他社のティップランロッドのソリッドも、イカのアタリに対してテンションの抜けやティップが入り込むアタリはわかります。
そこはこのセフィアSSも同じです。
しかし、セフィアSSはイカの挙動以外の変化もティップに現れます。
そこが、他社のティップランロッドとは決定的に異なる点です。
はっきりとしたアタリとまでいかない、ほんの僅かな微妙な変化も、穂先に動きとして現れます。
テンションが抜けるアタリも、穂先がピンと戻りきらない、微妙なアタリもはっきりと穂先に現れます。
穂先に表現される変化の幅が広い、そこがこのロッドの最大の特徴です。
そのため、エギの重量にはかなりシビアです。
潮や流れに対してちょっとでも重いと、穂先はもたれるように入ってしまいます。
レスポンスがいいので、穂先が海面に突き刺さるような角度でも、アタリははっきりと出ますw
とはいえ、アタリをとりやすい穂先角度になるような、エギの交換は必要です。
この辺りが他社の一般的なソリッドティップのティップランロッドとは異なります。
他社のティップランロッドだと、そこまでエギの重さで穂先の入り方に違いは出ません。
エギの重さはエギの流され方で決定すればいいだけですが、セフィアSSは穂先角度に影響するため、そちらも見ながらウエイトを決定する必要があります。
メリットは挙動や変化がはっきりと出るのでアタリがわかりやすい、デメリットは同じ理由でエギの重さによる違いも穂先に出てしまう、とういうことです。
穂先感度が良いことのデメリットがもう一つあります。
それは波による船の揺れも、穂先の変化に影響を与えてしまうという点です。
船の上下がそのまま穂先の上下反応としてでてしまいます。
この点はアタリをとるのが難しくなるので、結構なデメリットです。
慣れない内は、船の揺れなのかアタリなのかわからないくらいに反応が出てしまいますw
同じ状況でも他社のティップランロッドだと船の揺れではティップに影響が出てないので、そのアタリはこのロッド特有のデメリットです。
そのため、波が高くみよしなどの揺れる位置で釣る場合は難しいです。
多少、ウエイトを重くしてでも穂先を強引に入れてしまうのも手だと思います。
上でも書いた通り、最悪、ティップが垂直に突き刺さっててもアタリはとれるので、船酔いしそうなくらい揺れている時はあえてウエイトを重くするのもアリでしょう。
筆者は船酔いしながら、それで3300gのレッドモンスターを釣りましたw
ちなみに40gのエギがこのロッドでアタリのとりやすい下限値です。
30gだと穂先が入りにくいので、ワンランクパワーの落としたMLクラスの方が良いと思います。
汎用性
筆者はイカメタルロッドやスーパーライトジギングロッドとしても使っていました。
イカメタルに関しては、ロッドそのものはややヘビーになりますが、穂先が柔らかいので十分に代用できます。
ファイト感なども十分楽しめるので、このロッドを持っているなら、あえてイカメタル用のロッドは必要ないと感じるくらいです。
オモリグなどには特に適しています。
90gまで対応しているので、潮の状況次第ではイカメタルロッドよりも使いやすくなるでしょう。
スーパーライトジギングやタイラバにも適しています。
筆者はタイラバロッドを買うまではこのロッドでタイラバをしていましたが、十分に代用可能でした。
リールがハイギアだったので、そこまで含めると中途半端な代用でしたw
ノーマルギアでティップランをしている人は、そのままタイラバで使えます。
スーパーライトジギングに関しては、感度とジグの操作感の両方に優れていたので、イカメタルと同じくかなりオススメです。
総評
発売からモデルチェンジまで愛用していたロッドです。
大型のイカはほぼこのロッドでとっているので、実績も高いロッドでした。
1万円台後半でこの性能は、ただただコストパフォーマンスが素晴らしいロッドですw
すぐ高いロッドを買おうとする筆者がSSを使い続けていたのも、単純に性能が良く不満が全くなかったからでした。
現在は同名のセフィアSSティップエギングにモデルチェンジしています。
スパイラルXが搭載されて、バッド側とティップ側の急激な径の変化も抑えたとのことです。
後続については不明ですが、旧作に関してはかなりオススメできるロッドです。