ティップランロッドとしては2本目のロッドにあたります。
不測の事態に備えて、最低でも2タックルは持ち込みたいということで、追加で購入したのがこのカラマレッティーDue 642Mです。
一応、セフィアSS S606M-Sをメインロッド、サブロッドにカラマレッティーという想定です。
OLYMPICl GOCPDS-642M-SS Tip Eging Model
全長 1.93m
パワー Medium
アクション EX-Fast
標準自重 91g
仕舞寸法 99.5cm
先径 0.9mm
継数 2本
エギ MAX80g
PEライン 0.4-1.2号
筆者所有のティップランロッドとしては二本目、本来ならセフィアSSのインプレの方が先ですが、あちらは長くなりそうなのでこちらからインプレしますw
カラマレッティーとしては2本目、前回の陸っぱり用のカラマレッティーと同じくプロトタイプDueのシリーズとなります。
ラッシュ時のライントラブルや高切れなどで素早くタックルを交換するため・・・
もとい、ティップランロッドの穂先は繊細で折れやすいので、船上で破損して釣りが強制終了になった人を何度か見ています。
そうならないためにも、早急に予備のティップランロッドが必要でした。
そんな中、カラマレッティー Due 862MLがとても良かったため、どうせ買うならティップランロッドも同じシリーズから、という選択です。
仕様
同じシリーズなので、基本的には862ML-Tと同じです。
ガイド
こちらもオールチタンガイドで、ティップのソリッド部はLDBガイドでリングはSiC、その他はKRコンセプトのトルザイトリングとなります。
KL-H、KL-H、KL-Lと続くKRコンセプトですが、ティップランでは投げてもアンダーキャストのため、862MLで感じた糸抜けの良さを体感することはあまりありませんでした。
尤も、メインのセフィアSSもKRコンセプトなので、その辺は同じです。
ティップのソリッド部がLDBというのもセフィアSSと共通の要素です。
こちらも特に問題なし。
糸絡みしにくいガイドだと感じます。
陸っぱりの釣りとは違い、船での釣りの穂先絡みは即ロッド破損に繋がる致命打になり得ます。
特に、根掛かり時に穂先が絡むと、一瞬の判断でラインを切る選択、行動を起こさないと穂先が飛びます。
陸っぱりなら冷静に穂先の絡みを解けばいいだけですが、船の場合はドテラ流しにしろバーチカルにしろ船が動いているので、根掛かりすると地球を船が引っ張る状態になってしまいます。
その状態で穂先が絡むと、穂先が船の重みに耐えかねて破損してしまいます。
オールチタンガイドと一部トルザイトによりガイドの軽量化がなされている、というのは感じます。
ティップランロッドは感度が命なのでここは評価できると思います。
重量
カタログスペックで91g
セフィアSS606Mが97gですが、ここは正直大差がありません。
レングスが短いのでリールを装着すればそもそも先重りを感じる状態にはなり得ません。
また、基本は真下に落とすだけでキャストの必要もありませんので、自重に関してはこだわる必要はないと感じます。
しゃくりに対しての疲労感に関しても、ティップランでは自重よりもレングスとロッドパワーの方が疲労に大きく作用するため、極端に重いロッドでもない限り、重くて疲れるという状況にはなりません。
ただし、軽さが不要かといえばそうではなく、
感度が全てのティップランにとっては、少しでも情報伝達力を上げるためにも自重は軽いに越したことはありません。
その点、このロッドは6.4ftで91gですので、軽く仕上がっていると感じます。
軽いと穂先だけでなく手感度でもわかる場合があるので、ここはメリットです。
というわけなので、自重に関しては軽ければいいに越したことないですが、陸っぱりの釣りほどシビアに考えなくてもいいと思います。
ブランクス
こちらも基本的には862MLと同じになります。
G-MAPS
オリムピック独自のブランクス構造です。
シマノのスパイラルXやダイワのX45のように、異なる方向のカーボンシートを重ねて潰れ剛性と捻れ剛性を強化しているようです。
目には見えませんが、ブランクスの根幹に関わっている重要な要素だと予測できます。
スーパークワトログラファイトクロス
ロッドの外側を4軸のカーボンで補強する技術です。
862MLと同じく#1の一番下のガイド、第8ガイドまで搭載されています。
ビジュアル面で非常に格好よく、捻れ潰れにも強くなるとのことです。
ナノアロイ
東レの樹脂(レジン)に関するテクノロジーです。
何だかんだで、このロッドに期待したのはナノアロイテクノロジーによる粘り強さです。
穂先の変化でアタリを拾う、感度必須のティップランにおいて、高弾性であることはメリットでしかありません。
それに加えて粘りも確保できるナノアロイ採用ロッドは、ティップランロッドにこそ相応しいテクノロジーだと感じていました。
というのも、ティップランでアオリイカを掛けると、イカのジェット噴射に潮の流れと船の動きが加わり、
更に深いエリアから引き上げることになるため、同じサイズでも陸っぱりよりも強い引きを感じます。
そこに3キロ前後のアオリイカが掛かると、ロッドが全力で絞り込まれるため、その引き込みに耐える粘りが欲しいと感じていました。
テクノロジー単体ではどうしても評価できませんので、諸々の要素がどう作用したのか、以下使用感になります。
使用感
アクション性
レングスが短く、ショートソリッド採用ということもあり、非常にしゃくり易くなっています。
空振りでは硬いロッドですが、ジャークをするとロッド全体がアクションに追従してくれるため、ジャーク後のステイ時にロッドが暴れずにピタッと止まってくれます。
反発が強すぎないため、上限の80gのエギをジャークしても、使用者に負担はほとんどありません。
この追従性に関してはナノアロイの恩恵が出ているのでは、と感じる部分です。
逆に40gくらいの軽いエギだとロッドの硬さが目立ってしまうため、あまり快適にはしゃくれません。
メーカーが言うように、重たいエギの操作感を重視した設計のようです。
ファイト時
全体的に硬いロッドですが、負荷がかかたった時には引き込みに追従してくれます。
レングスが6.4ftのためファイト時は6.6ftのセフィアSSよりも楽でした。
ただし、ストロークが短くなった分、テンションコントロールだけはセフィアよりも気を使います。
この辺りは一長一短です。
粘り、に関しては追従性という意味では発揮されていますが、負荷を与え続ける、やロッドが耐え忍んでくれる、という意味では微妙です。
そもそもロッドの厚みが少なそうな感じ
なので、内部構造と外層補強、ナノアロイで強度を補完しているといった感じですw
ショートソリッド
このロッドの最大の特徴がショートソリッドです。
ソリッド自体は何の特徴もない標準的なものですが、通常のティップランロッドに比べるとソリッド部分が短くなっています。
筆者所有のセフィアSSは長めのソリッド搭載なので、それと比べると極端に短く感じます。
重いエギをしゃくってもティップがもたれにくく、アクションもつけ安いのがメリットですが、このショートソリッドでアタリをとるのはやや難しいと感じました。
特に真逆の性質である長めのソリッドでアタリをとることに慣れている筆者にとっては、アタリの出方が変わってしまっているため、正直戸惑ってしまいました。
変化が現れる部分が短いので、小さなアタリが出たときにその是非がわかりにくかったです。
これはもうショートソリッド以前の問題ですが、シマノのタフテックで慣れてしまった筆者からすると、通常のカーボンソリッドに現れるアタリによるティップの挙動の変化のパターンがわかりませんでした。
つまり、今までの経験が役に立たず一からの出直しになってしまったのです。
総評
ティップランはほぼ9割をティップの変化の見極めで決まる釣りです。
イカ先生監修以降のシマノのティップランロッドは、長いソリッド部分とタフテックによる柔らかくて丈夫な穂先を備えるある意味独自の路線を進んでいます。
このロッドに限らず、筆者は同船者のロッドを借りて試したこともありますが、やはりしっくりと来ませんでした・・・
既にセフィアシリーズしか使えない体になっていましたw
結局、筆者の慣れた長めの柔らかいソリッドとは真逆の、短く張りのあるソリッドだったこのロッドは、筆者には使いこなすことができませんでした。
実質の後継モデルは18ヌーボカラマレッティー プロトタイプ 5112M-Sです。