ルアりずむ

主にソルトウォーターのルアー釣りを嗜んでいます。タックルやルアーのインプレ レビューをメインで綴っていきたいと思います。ちなみにボウズが多いので、そのレベルだとお察しの上、参考にしてくだされば幸いです。

ダイワ ラテオR 106M インプレ

サーフや磯、テトラや防波堤など、あらゆるフィールドから使うことを想定して購入したロッドです。
筆者のこのポジションの前任ロッドはディアルーナXR1006Mでした。
とてもバランスの良いロッドです。

DAIWA ラテオ R 106M


標準全長(m):3.2
継数(本):2
仕舞(cm):164
標準自重(g):160
先径/元径(mm):2.0/13.9
適合ルアー重量(g):10-50
適合ラインPE(号):0.8-2.0
カーボン含有率(%):97

重量化するサーフルアーに対応するための10.6ft Mクラス、という訳ではなく、
9.6ft Mクラスのロッドを買い換えていって辿り着いたのがこのレングスでした。

当初、防波堤やテトラでの取り回しまで考慮すれば96Mが万能であると考えていました。
サーフや磯でも使える長さで、取り回しのよいレングスを考えるとこの長さになった訳です。

ただ、実際のところ、波止では106Mクラスの方が飛距離が出て、尚且つ、そのレングスから足元までルアーをきっちり操作しやすいというメリットがありました。
テトラ帯などではレングスが長いためテイクバックがやりにくいというデメリットがありますが、そもそも、一番下まで降りなくてもレングスを活かして操作できます。

そうなると、96Mよりも106Mの方がメリットが多いと思い、以後、こちらのレングスとパワーを買い換えていっています。

比較対象は初代ディアルーナ1006MやディアルーナXR、15ルナミス1006Mなど。

18ディアルーナではなくラテオR106Mにしたのは、旧ラブラックスAGS106MLが良かったのと、ラテオRでナノアロイが採用されてお得感があったからですw

仕様

自重
160gです。
ディアルーナXR1006Mで177gと考えるとかなり軽いです。
ハイエンドモデルの108ショアパトロールやモンスターサーフ1072よりも単純な重量だけなら軽いです。

ただ、実釣面では160gという軽さはそこまで感じないロッドです。
これは恐らくガイドがステンレスフレームであることが大きく、実際の操作でロッドを横に向けている状態ではやや重みは感じます。
ただ、この辺りは価格帯が決まっているので仕方なのない部分でしょう。

エアセンサーリールシート

リールシートにはカーボン製のエアセンサーリールシートが採用されています。
モアザンにも採用されており、段差が少ないので握りやすいリールシートです。

この辺りは筆者的にはかなり好ポイントです。

ラテオQや旧ラブラックスAGSなどに採用されていたオーバルリールシートは若干の段差があるため、握りやすさではエアセンサーリールシートの方が上です。


左エアセンサー 右オーバル

ガイド
オール、ステンレスフレームSiCリングKガイドです。
リングはSiC-Sが採用されています。

バッドガイドはMクラスですがシングルフットのKL-Hが採用されています。

バッドガイドの下から2つは足の高いハイフレームのため、飛距離面やラインの放出性には優れています。
ステンフレームなのは価格帯的に仕方がないので、その範囲内と考えるとベストな組み合わせと言えるでしょう。

継ぎ

継ぎは逆並継ぎです。

ジョイント部分に目印がついているので、朝マヅメの薄暗い時間帯でもまっすぐ継ぐことができます。
ここは些細な要素ですが、恩恵の大きな部分です。

グリップ
グリップはセパレーツグリップを採用しています。

これによりブランクス全体の軽量化に繋がっていると考えられます。

ブランクス

X45とHVFナノプラスが採用されています。
ブランクスのテクノロジーとしては、筆者のロッドの中では紅牙AIRと同じ組み合わせです。
AIRシリーズと同等のテクノロジーと考えるとかなり頑張ったロッドですw

ブランクスの径を太くして強度やパワーを出す設計はラテオQより引き継いでいます。
そのためブランジーノのようなシャープさはありません。

HVFナノプラス

レジンの量を減らしてカーボンを増やしたHVFと、粘りと強度が向上したナノアロイ採用カーボンを組み合わせたもの、だと予想できます。

レジンを減らして軽量化・だるさを無くし、ナノアロイの粘りによる破断強度も手にいれた、ということなのでしょう。

元々、ラテオシリーズはディアルーナシリーズと比べて粘りと追従性が高かったので変化がわかりにくいですが、粘りは感じるブランクスです。

X45

ダイワロッドではお馴染みのブランクス構造です。
異なる方向のカーボンシートを重ねて、ネジレ剛性やパワーを向上させている、ブランクス構造にかかわる重要な技術です。
ラテオQの時は旧名称のXトルクでした。

使用感

飛距離
10.6ftのレングスとMクラスパワーが相まって飛距離は出しやすいロッドです。
20g~40gまでのメタルジグは問答無用でかっ飛びます。
ミノーやハウルなどのルアーも飛びます。
苦手なルアーがあるとすれば10g以下のルアーでしょう。
MLクラスならまだ投げれるルアーも、こちらだと感触がほとんどなく飛びません。
それでもディアルーナやルナミスよりは多少ましですがw

飛距離よりも特に優れているのが投げやすさです。
恐らく、初心者から上級者まで誰が投げても同じくらい飛ばせます。
圧倒的な投げやすさがこのロッドの最大の特徴でしょう。

ファーストテーパーの初代ディアルーナ1006Mだと速いスイングスピードで無理矢理ロッドを曲げて打ち出す必要があります。
XRで多少ましにはなりますが、ロッドを強引に曲げて飛ばすという部分は同じです。
15ルナミスではカーボンの弾性率が上がったのか、ブランクスの反発が加わってより難易度が上がっています。
いずれにしても、ブランクスを曲げるためにスイングスピードが必要なため、投げるルアーによって微妙に速度を変える必要があり、初心者には若干難易度は高いです。
そして、疲れますw

一方、ラテオRでは速いスイングスピードは必要なく、普通にキャストするだけでロッドが曲がってくれるので、キャストに慣れていない初心者にも投げやすくなっています。
ルアーが変わってもロッドを曲げやすいため、安定したキャストにより安定した飛距離が出せるようになります。

投げやすい、というのがこのロッドの大きな特徴です。

感度
感度に関しては良くもなく悪くもなく、ですw

振動が伝わってくる訳でもなく、穂先の目感度に優れる訳でもないため、感度がよいロッドと言える要素がほぼありません。
モアザンブランジーノ1010ml/mも感度面はそれほど優れていないので、同じ系統だといえます。

粘りや追従性は高いブランクスですが、振動の伝達性は低いので、ルアーの抵抗などから水中の状態も確認しづらいです。

ただ、Mクラスで50gまでのルアーを扱えることを考えると、それほど繊細さは必要ないのかもしれません。
サーフからの青物狙いなどで感度が必要となるケースも少ないため、感度は別に良くないですがそれで困るシチュエーションもない感じです。

操作性


パワー
初代ディアルーナやXRが強めの硬いバッドで強引に止めるロッドだとすると、ラテオRはブランクスを曲げて粘るロッドです。

ティップも柔らかすぎないため、合わせはシャープに決まります。
ティップ~ベリーの追従性は高いため、急な突っ込みやヘッドシェイクをくらってもバレにくいです。
ディアルーナだとその辺は怖いです。

青物とのファイトでも、ティップ~ベリーで突っ込みに追従して耐えて、バッドの復元力で耐えて弱らせるイメージです。
バッドはぶち曲がる訳ではないですが、グイグイと復元力が働いて確実に魚を浮かせようと働いてくれます。
そのため、ある程度のことはロッドの方で勝手にやってくれるため、ファイトは非常に楽なロッドです。
使用者はロッド角度をキープして巻くだけで、後はロッドの方で勝手にいなして浮かせるイメージです。
そういった事情から、ファイトが非常に楽なロッドです。

ただ、ライン強度に任せた強引なファイトは苦手です。
そういったファイトはディアルーナの方が得意でしょう。
ターゲットのサイズが想定を越えると、バッドの復元力が追い付かず浮かせる、止めることができません。
そういった状況ではポンピングが有効ですが、バッドが曲がるためあまり寄ってきません。
ポンピングで寄せる場合はディアルーナの方が浮いてきます。
こういったケースは稀ですが、強引なファイトはそれほど得意でないロッドです。

総評

非常にバランスのとれたロッドです。
キャスト性やファイト感など、誰が使っても使いやすいロッドになっています。
価格帯の制約があるため仕方ないですが、ガイドフレームがチタンなら持ち重り感などが軽減されてよりよいロッドになったでしょう。

ラブラックスAGSやレイジーにもブランクスが流用されていると噂されるほどの名作だったラテオQの後継というだけあって、最初からハードルは高めでしたが、見事に期待を越えてきた感じです。

バランスは良いですが、尖った部分、特化された部分はないロッドです。
なので、上位モデルとの差別化はバランスを崩してでも突き詰めたい要素があるかどうか、でしょう。

ある意味完成されたロッドです。
よいロッドですが穂先を折ってしまったので退役、インプレ強制終了となってしまいました。