ルアりずむ

主にソルトウォーターのルアー釣りを嗜んでいます。タックルやルアーのインプレ レビューをメインで綴っていきたいと思います。ちなみにボウズが多いので、そのレベルだとお察しの上、参考にしてくだされば幸いです。

シマノ 12ヴァンキッシュ C3000HG インプレ

2度のモデルチェンジを経ているので、今更感が満載ですが、12ヴァンキッシュのインプレとなります。
エギング、ティップランのメインリールとして、現在も現役で活躍しています。
1台使って気に入ったので2台所有しています。


12ヴァンキッシュC3000HG

ギア比 6.0:1
実用ドラグ力 3.5kg
最大ドラグ力 9.0kg
自重 195g
スプール寸法 46.5/14.5mm
最大巻上長(ハンドル1回転あたり) 88cm
ハンドル長 55mm
ベアリング数(S A-RB/ローラー) 12/1

09ツインパワーMGの後継機として、独立したのがヴァンキッシュシリーズです。
どちらかと言うと、ダイワが得意としていた巻きの軽さと自重の軽量化を目指したクイックレスポンスシリーズのフラッグシップとして誕生しました。

以後、16ヴァンキッシュ、19ヴァンキッシュと続いていきます。

筆者は13セフィアBB C3000HGSDHからの乗り換えのため、希望はハイギアでダブルハンドルのHGSDHです。
しかし、12ヴァンキッシュのラインナップにHGSDHがありません。
厳密にはリミテッドの13ヴァンキッシュにはあるんですけど、入手は不可能でした。

そのため、C3000HGを購入し、社外ハンドルのリブレ ウイング100を装着することにしましたw
www.lurelism.com

あまりに良かったため、オフショア用にもう1台購入して、2台体制で稼働しています。

機能

ローター

カーボン系樹脂のCi4+ローターが搭載されています。
このCi4+のローターが搭載されたリールが、クイックレスポンスシリーズです。

ローターが軽いので、巻き始めが軽く、リーリングの際に感度が良いのが特徴です。

ダイワが得意としていた、エアローターによるローターの軽量化をシマノなりに後追いした感じですw

ボディ

マグネシウムボディです。
ボディ素材としては、アルミニウムとカーボン系樹脂の中間の強度になります。
グラス系樹脂の13セフィアBBからは、この剛性面は跳ね上がったと感じています。

そこで気になるのがザイオンとの関係です。

ザイオンはマグネシウムとほぼ同等の剛性とダイワは発表していますが、筆者の個人的な体感では、そこにはやや疑問が残る部分です。

筆者の所有する14モアザンLBDのザイオンボディが、マグネシウムボディよりも剛性があるとは正直、使っていて感じられません。
実験での測定値ではマグネシウムよりもザイオンの方が剛性があるらしいですが、素材の反発の違いやら耐熱やら何やらの問題で、実釣レベルで見ればマグネシウムの方が剛性があるように感じます。

18イグジストのボディがザイオンからマグネシウムに変わったのは、その辺りの測定値では出ない材質の違いがあったのかもしれません。

とはいえ、ザイオンも十分強いので、マグネシウムとあえて比較する意味もないかもしれません。
そんなに剛性が気になるなら、アルミニウムボディのリールを選択しているでしょうw

耐久力

防水性
コアプロテクト搭載前のモデルなので、ボディとラインローラーにオイルインジェクションがあります。
オーバーホールに出すまで、ごり感やしゃり感が出ることはありませんでしたので、気密性は高いかもしれません。

ラインローラーは注油と交換が簡単なので、消耗前提なら維持は容易いです。

ベアリングの質にこだわらなければ、価格は安いのでホイホイ交換するのもありでしょう。

剛性

13セフィアBBで感じたボディのたわみ、歪みによるギアの噛み合わせの悪さによる異音、という点は12ヴァンキッシュで完全に解消されました。

13セフィアBBで剛性の無さを感じたシチュエーション、ティップランでの重量エギの使用の場面でも、ヴァンキッシュでは問題なくしゃくることができました。

少なくともC3000番のリールとしては、マグネシウムボディで十分剛性は確保できていると感じます。

オーバーホール
所有している2台のうち、1台が明らかに回転が重たいため、しゃり感やごり感は出ませんでしたが、購入後4年くらい経過したタイミングでオーバーホールに出しました。

色々交換されて、合計1万ちょいでした。

巻き心地は最早遠い記憶の新品の時に近い感じですw
すると、大丈夫だと思っていた方のヴァンキッシュがかなり重たく感じます。
2台比べるとましなだけで、良くは無かったみたいですw
そちらもすぐにオーバーホール。

色々交換されて9100円でした。

どちらもキャンペーンの無いときに出したので、工賃が3600円です。
いずれもピンオンギア1100円とドライブギア2000円が交換されましたが、
地味に痛いのがベアリングが1個1200円することですw
ある意味、金額がどの程度いくかは、ベアリングの交換数で決まると言ってもいいでしょうw

結果的に、どちらも新品並み帰ってきたので、買い替えることを考えればお得です。
まあ、売ってニューモデルに買い替える、という荒業もできなくはないですが、12ヴァンキッシュはそうしてまでニューモデルにするメリットが無かったので、今も現役で使っています。

使用感

自重
メーカー表記で195gです。

16ヴァンキッシュの同番手で185g、19ヴァンキッシュで170gです。
比較すると、12ヴァンキッシュは過去のリール感が半端ないですが、筆者的には195gでも十分軽いと感じています。
逆に言うとモデルチェンジしても10g、25gの軽量化に留まっています。

特に筆者はセフィアBBからの乗り換えのため、195gはとんでもなく軽く感じましたw
なんといっても、50gの差になりますのでw

正直、軽量化はかなり頭打ちになってきたと感じています。
重要視されるのはカタログ表記の重量なので、ハンドルシャフトの素材やスプールの軽量化で自重を軽減するなど、だんだんとネタがなくなってきている感じはします。

まあ、いくら軽量化を語ったところで、50gのリブレ ウイング100を装着する筆者には甲斐ない話ですがw

巻き心地

軽いです。
ローターの軽量化により、巻き始めがとても軽いです。
リーリングにメリハリをつけやすいので、アクションを多用するエギングにはとても向いています。

巻きの釣りでは、ルアーの抵抗や潮の抵抗がはっきりとわかるので、繊細な釣りをするには向いています。

ただ、巻き心地に関してはマイクロモジュールギアⅡの16、19ヴァンキッシュには敵わないと思いますw

感度
巻きが軽いため、感度はとても高いです。
スーパーライトジギングやナイトシーバスなどでは、コツコツと当たってくる小さなアタリも拾いやすいです。
反応があるとリーリングを止められるので、アタリを逃すことは少ないでしょうw

逆に言うと、僅かな引きでもリーリングを止められてしまうので、ファイトではごり巻きには向いていません。
この辺りは12レアニウムと同じです。

リールパワー
C3000なので、あまりリールパワーが求められる番手でもないと思いますが、番手相応のパワーはあるといった感じです。

感度が良いことの裏返しで、抵抗は受けやすいので、ごり巻きやパワーファイトには向いていません。

モデルチェンジ

軽量化
今となっては12ヴァンキッシュはCi4+による軽量ローターとマグネシウムボディしか特徴のないリールですw

ストラディックCi4+とセオリーの軽量化合戦を皮切りに、カタログスペック上の軽量化競争が激化したと感じています。
メーカーが思っていた以上に、カタログスペック上の自重は購入動機としては大きかった訳です。
以後、後だしじゃんけんのいたちごっこが始まります。

4年周期を破ってまで19ヴァンキッシュにモデルチェンジした背景には、18イグジストの存在があることは間違いないでしょう。

これらは逆に言うと、カタログ表記の重量さえ確保できれば売れる、ともとれるため、ハンドルシャフトやらノブ類など、リール本体ではなく付属品を軽量化していく流れになっていると感じます。

そのため、ハンドルやノブをカスタムする人には、カタログスペックの重量の恩恵はあまり感じらないのが現実です。

新機能
16ヴァンキッシュになり、マイクロモジュールギアⅡとコアプロテクトが搭載されました。
マイクロモジュールギアは魅力的ですが、コアプロテクトの防水性は筆者的には微妙ですw
どうせ買うなら、16ヴァンキッシュベースの17エクスセンスの方が、番手は制限されますが、防水機能がXプロテクトになっているのでオススメです。

19ヴァンキッシュになり、更なる軽量化とサイレントドライブ、ロングストロークスプールを搭載しています。
ロングストロークスプールに関しては、今後はこちらがスタンダードになると思うので突っ込む余地がありませんが、更なる軽量化に関しては賛否両論がありますw

16までのフルマグネシウムボディから、マグネシウムとCi4+のハイブリッドマグネシウムボディに変更されています。
剛性の問題やらで話題になっていますが、筆者的には舵の切り方としては悪くないと思います。
元々が軽量・高感度が売りのコンセプトのため、より長所を伸ばす進化としてはありだと感じます。
同じハイブリッドなら、20ツインパワーの方がちょっとどうかと思いますw

総評

とても気に入っているリールです。
少なくとも、エギング・ティップランでは何の不満もないため、買い換えのタイミングを逃しているリールでもあります。

かつてのシマノ軽量系リールのフラッグシップだっただけのことはあり、長く付き合っていけるリールです。
この12ヴァンキッシュとの出会いにより、リールにはお金をかけた方が良いという結論に至りましたw
まあ、ロッドにもお金をかけるので説得力は無いですが・・・

16まではスプールの互換がありましたが、19ヴァンキッシュからはロングストロークスプール採用で互換が切れてしまいました。
買い替えるなら替えスプールの互換を優先して17エクスセンスにするか、総入れ替えで19ヴァンキッシュにするか迷うところです。
まあ、その頃には23ヴァンキッシュとか出てるかもしれませんがw


新品で入手は不可能なので、中古限定になると思いますが、2モデル前ということもあり、かなりお得に手にいれることができると思います。
エギングなどのアクションを多用する釣りではマイクロモジュールギアの恩恵がほとんどないので、12ヴァンキッシュでも十分に使い勝手の良いリールになります。
普通に良いリールです。

12ヴァンキッシュ⇒16ヴァンキッシュ⇒19ヴァンキッシュを経て、
現在は23ヴァンキッシュになりました。