シーガーから出ている餌釣り用のフロロカーボンのハリスです。
筆者はルアー釣りのショックリーダーとして使用しています。
後程リリースされたグランドマックスショックリーダーと中身は同じらしいので、事実上グランドマックスショックリーダーのインプレとも言えます。
クレハ シーガー グランドマックス
筆者の使用歴は以下となります。
2号 エギング
2号 ティップラン
4号 タイラバ
6号 フラットフィッシュ
ハリスですがショックリーダーとして使っている人の多いラインです。
グランドマックスシリーズの他にハリスで良く転用されているのは、サンライン ブラックストリームでしょうか。
オフショアでは船用ハリスをショックリーダーとして使っている人はとても多いです。
シーガー船ハリスや、ダイワのディープフロン船ハリスなどは良く見かけます。
メーカーの人曰く、ハリスのままだと釣具屋の陳列でルアーコーナーに置いてもらえないのと、リーダーを用途にしている人は60m巻きよりも巻き数を少なくして単価を抑えたものの方が好まれる、などの理由があって、グランドマックスショックリーダーがリリースされたらしいです。
そのため、携帯に便利で低価格なグランドマックスショックリーダーを現地用、巻き数が多いお徳用としてグランドマックスを自宅用、と買い分けることができます。
特性
質感
ハードタイプの硬いフロロカーボンです。
しなやかさとは真逆の性質です。
フロロカーボンのショックリーダーの中では、かなり硬い部類になると思います。
巻き癖がかなり強いので、グランドマックスで3ヒロ(筆者で5.1m)以上のロングリーダーをとると、トラブルが頻発します。
結束
硬いので他のフロロショックリーダーよりも結束はしにくいです。
ただし、硬さは最高クラスですが結束のしにくさも最高クラス、と言うわけではありません。
号数間で比較すると確かに結束しにくい方ですが、その特徴が目立つのは筆者の使う6号よりも更に上の号数になればなるほど目立ってくると思います。
逆に2号だと結束の難度は全く感じません。
フロロの特性が強くなる太い号数ほど、癖が強くなるのだと思います。
巻き癖
巻き癖の強いラインです。
スプールへの収まりが悪いので、ロングリーダーにして巻き付けておくと、テンションが弛んだと同時に形状記憶合金のワイヤーみたいに元に戻ろうとしてスプールで爆発しますw
これらの欠点は、当たり前なんですが、号数が太くなるにつれてより強くなり、逆に細くなるほどにマイルドになります。
2号まで細くすると、硬さや巻き癖などは大幅に軽減されます。
結束難度も感じられません。
他の同じ号数のフロロに比べると確かに硬いですが、ライントラブルに繋がるような硬さや扱いにくさは無くなります。
そのため、筆者はグランドマックスの2号をエギングとティップランの兼用リーダーとして使用しています。
オフショアのティップランと兼用のため、2ヒロ(筆者で3.4m)の長めのリーダーをとっていますが、ライントラブルはありません。
ショアからのエギングも同じ長さのリーダーでキャストしていますが、糸抜けの方も問題なく、トラブルにも繋がりません。
そのため、筆者はデメリットをほぼ感じられない2号に関しては、このグランドマックスをショックリーダーのメインとして使っています。
強度
メーカーHPを見ると、結束強度、直線伸度はパラメーターでカンスト、衝撃強度はちょっと下がる、といった感じです。
結束強度、直線伸度、衝撃強度、これらの特性に関して、実験によるデータや解析はしていませんので、ここでは筆者の実釣レベルのみでの強度の話となりますw
引っ張り強度
単純に引っ張った時の強度、とします。
これは強いと感じます。
ティップランにしろ、タイラバにしろ、オフショアで根掛かりした時に、リーダーがグランドマックスだと、リーダーで切れる確率は限りなく低いです。
同じ号数でも銘柄を変えると、50%でリーダーかPEのどちらかが切れるところまで変わるので、単純に引っ張った時の強度は強いと感じます。
耐久力
根ズレにはかなり強いラインです。
岩やら牡蠣やらに擦っても耐え抜く、というほどぶっ飛んではいませんが、砂利やら海藻やら砂などによる磨耗にはとても強いです。
小キズが付きにくいので、頻繁に結び直さなくとも、繰り返し使うことができます。
耐久力がとても高いラインです。
瞬間的な衝撃に対する強度
大物の急な突っ込み、根掛かりに対して全力の鬼合わせ、などの瞬間的な負荷が加わる状況での強さ、とします。
ここにはかなりの疑念を抱いております。
というのも、かつてサーフで青物相手に、最後の最後でこれまでにないほどの急激な突っ込みをくらい、このグランドマックス6号2ヒロ(3.4m)のど真ん中で切断された経験があるからです。
たった一回の体験ですが、筆者が疑念を抱くには十分でした。
障害物など皆無なサーフだったことと、結んだばかりの新品のリーダーだったこと・・・
そもそもが、キズに強く、強度においてこれ以上のリーダーは存在しないくらいに圧倒的な信頼を置いていたグランドマックスだったこと・・・
引っ張り強度や対磨耗性はずば抜けて高いですが、代わりに瞬間的な負荷には弱いのではないか、ということです。
つまり、メーカーのグラフでは控え目に下げられている衝撃強度というのが、それほど強いラインではないのではないか、という疑念です。
硬くてほぼ伸びないラインなので、瞬間的な衝撃がくわわると、伸びて衝撃が吸収されにくいため、負荷に耐えきれずに破断してしまうのではないか、と予想します。
あくまで憶測ですが、瞬間的な衝撃には弱いラインだと感じました。
扱いやすさ
扱いにくい部類に入ります。
ただし、号数や使い方によって印象は変わります。
6号 サーフヒラメ
6号をサーフヒラメで使っていましたが、ロングリーダーだとライントラブルに繋がりやすいです。
2ヒロ(筆者で3.4m)くらいとると、ガイドに糸絡みなどが発生してしまいます。
ただし、これは適切な長さでもなく、必要性もあまりないため、1.5m~2mに抑えればいいだけの話ですw
サーフヒラメで10.6ftクラスのロングロッドだと、1.5m~2mの長さであれば、トップガイドにリーダーを巻き込まない長さになるので、トラブルとはほぼ無縁になります。
4号 タイラバの場合
4号をタイラバで使っていた時は、3ヒロ(筆者で5.1m)以上の長さをとると、バックラッシュが連発してしまいました。
テンションが抜けると、途端にスプールで爆発が起きてしまいます。
ポイントに到着して、ベイトリールのクラッチを切るのと同時に、スプール内のグランドマックスが爆発してしまいます。
そもそも、なぜロングリーダーをとりたいかというと、タイラバはスナップが使えないため、ヘッド交換やネクタイ交換の度に再結束が必要です。
リーダーはどんどん短くなってしまうので、ある程度の長さを確保しておく必要があります。
また、オフショアではキャストの必要がないので、食い込みを良くするためにロングリーダーを好む人も多いです。
この問題は、リーダーの種類を変えるだけで簡単に解決しました。
タイラバでは筆者は3ヒロ(筆者で5.1m)固定なので、リーダーの種類だけでバックラッシュや爆発はなくなりました。
ただし、これはかなりリーダーのしなやかさに依存する問題で、グランドマックスは特別硬いとしても、それほどしなやかではないリーダーだとやはりトラブルは発生しますw
筆者の結論は、グランドマックスはロングリーダーにはあまり適していない、ということです。
2号 エギング ティップラン
2号は上でも書いた通り、デメリットはほとんど感じられなくなります。
メリットはそのままに、デメリットをほぼ帳消しにできるので、エギング・ティップランではこのリーダーを多用しています。
総評
数値化しない私的項目での総評ですw
引っ張り強度
筆者の使用したフロロリーダーでは最高クラスだと感じます。
瞬間的な衝撃に対する強度
ここにはやや疑問が残ります。
引っ張り強度がかなり強いだけに、この部分の弱さが目立つ気がします。
耐久力
海中の砂利や砂、海藻やら岩などのちょっとした根ズレではキズの付きにくいのでラインです。
キズが付きにくく、耐久力があるため交換の頻度は低く済むラインです。
値段
高いです。
ショックリーダーとしては高級な部類です。
ただし、耐久力はあるので、毎釣行ごとに巻き返る程の交換頻度ではないので、コスパが悪い訳ではないと思います。
扱いやすさ
扱いにくいラインです。
硬くて巻き癖が強いので、ライントラブルの起こりやすいラインです。
太ければ太いほど、長ければ長いほど、その特徴が大きくなるので、用途に合わせて最適な長さや太さを選べば、トラブルは回避できると思います。
硬くて強いが瞬間的な衝撃には弱い、さながら、ハンマーで砕けるダイヤモンドのようなショックリーダーですw
値段もダイヤモンドです。
2号まで細くするとメリットはそのままに、デメリットがなくなるので、文字通り最強のラインになります。
そのため、筆者のオススメは圧倒的にエギングやティップランなど、細いリーダーとしての使用です。