サーフからヒラメや青物を狙うために使用しています。
トップガイドの修理までしたにも関わらず、すぐに車内で破損してしまったショアパトロールの後任ですw
一応、2シーズンの2年目に突入したので、今の段階でわかることをインプレしたいと思います。
モアザンブランジーノ 1010ML/M POWER SURF CUSTOM 1010
標準全長(m):3.30
仕舞寸法(cm):169
継数(本):2
標準自重(g):150
先径/元径(mm):1.7/13.4
ルアー重量(g):7-40
ラインナイロン(lb):8-16
ラインPE(号):0.8-2.0
定価(円):88,000
AGSガイドを使ってみたい、ということでメーカーはダイワに絞られましたが、ダイワのフラッグシップで筆者の求めるスペックのロッドには、
モアザンブランジーノAGS1010ML/MとモアザンエキスパートAGS109ML/Mの2種類がありました。
モアザンエキスパートは軽量、高感度を売りにしているモデルで、モアザンブランジーノはパワー重視のモデルとなっています。
フラットを本気で狙いに行くならエキスパートの方が良さそうなんですが、フラットフィッシュより青物が釣れる確率の方が高いので、パワー重視でブランジーノにしましたw
比較対象は
ディアルーナXR1006ML
ブレードマスター106
ショアパトロール108
モンスターサーフ1072
になります。
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フラットフィッシュは釣れてないので、青物とメッキでのインプレになりますw
仕様
パワー表記
ML/Mという表記です。
MLクラスのティップにMクラスのバットという意味らしいです。
ブレードマスターやショアパトロールもあえてパワー表記をつけるなはML/Mになると思いますが、これらとは調子が若干異なります。
ショアパトロールやブレードマスターなどは、柔らかいティップ~ベリーに太くて強いバットというコンセプトですが、
モアザンブランジーノはバットにかけてテーパーや硬さが急激に変わるわけではありません。
MLクラスのティップにMクラスのバッドとされていますが、ショアパトロールのような太いバットでも、モンスターサーフのような46tバットでもなく、細いけど厚みのあるバットです。
大袈裟な例えですが、イメージはオフショアジギングロッドに近いです。
単純なバットパワーでは太いショアパトロールや46t高反発モンスターサーフ程ではありませんが、適度に曲がって負荷を与え続けてくれるため、とても楽にファイトをすることができます。
自重
メーカー表記で150gです。
自重だけを見ればかなり軽いです。
ただし、レングスが10.10ftもあるため、持って使って特別軽いと感じる訳ではありません。
そこはロングロッドの宿命です。
それでも一応、10.8ftのショアパトロールや10.7ftのモンスターサーフと遜色ない程の軽さはあります。
10.10ftのレングスのロッドだと考えると軽いです。
合わせるリールはシマノ4000番、ダイワLT4000番、ダイワ旧3000番がおすすめです。
AGSガイド
このロッドの一番の購入動機ですw
ダイワ独自のカーボンフレームのガイドです。
エア・ガイド・システムの略で、カーボンガイド単体のことを指しているのではなく、カーボンガイドなどの軽量ガイドを使用したガイドシステムの名称らしいですw
ブランジーノではトップガイドを除く1番ガイドから6番ガイドまでがSiCリングになっています。
元ガイドの8番ガイドと7番ガイドの2本がチタンリングです。
直接的な感度の向上は、使う前に予想していた程上がったとは感じません。
そもそも、ブランジーノのブランクスが感度に優れた設計ではないということと、筆者が感度をそれほど重視していないので、それらを飛び越えてまで伝わってくる感度ではありませんでしたw
ラインの放出性なども至って普通です。
AGSだから優れている訳でも、劣っている訳でもありません。
ライントラブルなども基本的にKガイドと同じだと感じます。
唯一の違いはガイドの耐久性ですが、これに関しては実際に壊れてみないとわかりませんw
チタンやステンレスフレームよりは理論上脆いだろう、としかいえません。
破損に繋がるような状況になるまでは不明です。
ガイドが軽くなっている恩恵なのか、キャスト時のティップの収束は速い気がします。
そういった、ガイドが軽くなったことによる恩恵、みたいなのは所々感じることはありますが、それをAGSの恩恵だと言い切れる程の自信はありません。
そこは他のAGS搭載ロッドを使ってみないことには正直わかりません。
現段階ではAGSのカーボンガイドは良いと感じます。
ただし、もうステンレスやチタンのガイドに戻れないかというと、そういう訳では全くありませんw
良いのは間違いないですが、無くてはならない存在と言うわけでは無さそうです。
V-ジョイント
V-ジョイント搭載のロッドは磯竿でも色々使ってきましたが、その是非については未だにわかりませんw
ここで取り上げたいのは、ジョイントそのものではなく、継ぎの部分に印されたマークです。
サーフ釣行は暗い内から準備に取りかかると思いますが、暗闇の中でもマークに合わせて継げばいいので、非常に楽にジョイントができます。
かなり小さな要素ですが、個人的にはかなり助かっています。
ガイドが真っ直ぐになるように継ぐのは基本中の基本なので、暗闇でもそれが正確に行えるのは助かります。
ブランクス
心踊るテクノロジーが満載ですw
ESS
感性領域設計システムというらしいですw
難しすぎてわかりませんが、様々なデータを元に計算をしてロッドの設計をした、ということみたいですw
他メーカーではオリムピックがO.S.S.という似たようなデータに基づいてブランクスを設計するシステムを導入しています。
SVFコンパイルXナノプラス
いろいろ付け足されて名前が大変なことになっていますw
ぱっと見ただけで、とにかく凄いらしいことだけはわかります。
紐解いていくと、SVFとはカーボンシートのレジンを減らす技術です。
シマノではマッスルカーボン系の技術に当たります。
対して東レのナノアロイとは、ざっくりと言うと粘りをもたらしてくれるレジンですw
高弾性のパリパリロッドでも、粘るナノアロイのレジンによって、パリパリなのに曲げれば粘るロッドが作れます。
つまり、SVFコンパイルXナノプラスとは、粘るレジンであるナノアロイを搭載したカーボンシートの、レジンを減らしてカーボンの密度を上げる技術なんじゃないかと予想できますw
それだけ書くと、ナノアロイ搭載カーボンシートからナノアロイを絞り出すのは本末転倒な気がしますが、
不要なレジンを取り除き、必要に応じてナノアロイを残す、と考えると理にかなっていると思います。
ナノアロイが上手く作用しているのか、粘るブランクスに仕上がっています。
3DX
蜂の巣のようなハニカム構造のカーボンシートで外装を覆う技術です。
4軸カーボンやシマノのハイパワーXなどと同じくロッドを外側から覆う外装補強で復元力が上がるとのことです。
搭載位置はバットの写真の位置までとなっています。
どの程度の効果が見込めるのかわかりませんが、搭載箇所は太くなっている分硬いですw
X45
こちらはダイワロッドお馴染みのブランクス構造です。
異なる方向のカーボンシートを重ねて、ネジレ剛性やパワーも向上させているみたいです。
ブランクス構造にかかわる重要な技術です。
使用感
毎回そうなんですが、上記のようなテクノロジーに関して、筆者では個別の効果を感じ取ることはできませんw
よって、総合的にどうなったかです。
飛距離
10.10ftもあるので飛距離は出ます。
特にジグミノーやメタルジグなどの重量のあるルアーはかっ跳びます。
へたくそな筆者でも適当にキャストすればそれなりに飛んでいきますw
投げやすいかどうか、ではなく、飛ぶか飛ばないかで考えると、よく飛ぶロッドです。
キャスト性
飛距離ではなく投げやすさの評価です。
投げやすいかどうかと言われると、今まで使ってきたロッドの中ではそこまでです。
なぜそう感じるのかというと、恐らく、快適なキャストだと感じる曲がり方のするルアーとそのウエイトの幅が狭いからだと思います。
適合ウエイト7g~40gと見れば、20g~30gが投げやすそう、と予測できます。
実際にその通りです。
10g~20gのミノーだと、ブランクスのパワーが勝っているのか、ロッドの曲がりを生かしきれない感じのキャストになります。
それでも、レングスがレングスですし、普通に飛距離は出ますw
逆に35g~40gの上限ギリギリのルアーを投げると、ロッドが負けていると感じるほど曲がり過ぎてしまいます。
人によっては、このウエイトのルアーの使用は控えるかもしれません。
もちろん、曲がりの反発もありルアーはかっ跳びますw
何が言いたいかというと、飛距離は出るのに快適ではない、ということです。
問題ないと言えば問題ありませんが、楽なキャストではありません。
ロッドのテイストが影響しているのかもしれません。
ファーストテーパーのロッドですが、ファイト時はレギュラーテーパーみたいに曲がります。
負荷がかかれば曲がるブランクスですが、通常状態では意外と硬いので、キャストするルアーによってはロッドが曲げにくかったり、逆に曲がりすぎて粘りが出たりするのでしょう。
ファーストテーパーとレギュラーテーパーの良いとこ取りブランクスですが、キャストにもそれが影響してしまっているのかもしれません。
純粋なファーストテーパーとは違い、曲げるとレギュラーテーパーの要素も加わってくるので、ちょっと難しく感じる部分です。
感度
AGSのお陰で感度が上がっている、と感じることはありませんでした。
至って普通の感度だと思います。
悪くも無いけど、感度のいいロッドと言えるほどの感度はありません。
微妙な振動が伝わってくる、といった感度はモンスターサーフ1072の方が圧倒的に上です。
穂先が柔らかいことによる小さな動きも捉えられる、といった感度もショアパトロールやブレードマスターの方が上でしょう。
そこはメーカーの説明通り、感度はモアザンエキスパートの方が上なんだと思います。
感度が上がらない理由なんですが、恐らくブランクスの内径、断面にした時のブランクスが厚いので振動が伝わりにくいのだと思います。
ただし、決して感度が鈍いわけではありません。
筆者の個人としては、この点は特に不満はありません。
操作性
ティップ
「悪魔の食わせ」の異名を持つ鬼掛けデーモンティップ、とやらが搭載されていますw
ショートバイトを弾かない柔らかティップとのことですが、柔らかさではブレードマスターやショアパトロールの方が上です。
柔らかいのは柔らかいですが、適度なハリがあります。
柔らかすぎるブレードマスターやショアパトロールとは違い、フッキングは楽です。
ベリーからやや強くなるので、アワセが入れやすくなっています。
それでいて、ティップの追従性は良いので、突っ込みや首振りにも柔軟に対応し、適度なテンションキープもしてくれるので、小物でも弾かずバラさず釣り上げることができます。
ここは非常に気に入っている点です。
また、柔らかいながらも復元力があるので、このカテゴリーのロッドが本来苦手なメタルジグのアクションも、それなりにこなしてくれます。
パワー
このロッドで特に優れていると感じたのがロッドパワーです。
ですが、単純にロッドパワーの高いロッドではありません。
圧倒的、粘りのブランクです。
普段はファーストテーパーなんですが、ファイトになるとベリーの真ん中ぐらいから曲がるレギュラーテーパーのようになります。
魚の急な突っ込みにもロッドが追従し対応してくれるので、引き込みの距離次第ではドラグを使わずに耐えることができます。
ロッド全体で負荷をかけれるため、魚の体力を徐々に奪うことができます。
そのため、同じサイズの青物をかけた場合は、ショアパトロール108よりも素早く楽に仕留めることができます。
ロッドを曲げ込むことで、ロッド全体の復元力でじわじわと獲物を弱らせつつ寄せてきます。
急な突っ込みにも、ロッドが曲がり、魚の突進にブレーキをかけるように負荷を与えて止めてしまいます。
イメージは、剛竿が急ブレーキで魚を止めるとするなら、ブランジーノは余裕をもってブレーキをかけて最終的に止める、という感じです。
バットパワーを使った強引なファイトではなく、ロッドを曲げての粘りのファイトになります。
そのため、強引に主導権を握るファイトは苦手だと感じます。
ロッドを曲げ込んで初めて真価を発揮するロッドです。
それ故、かなり青物に向いていると感じました。
それなりの重量とパワー、そして持久力のある青物の引き込みは、このロッドの力を発揮しやすいターゲットです。
この粘りのテイストは非常に気に入りました。
高弾性の軽量ロッドでありながら、粘りの要素も両立させているのは、上記の様々なテクノロジーの集大成だと感じます。
汎用性
10.10ftもあるため汎用性は低いです。
10.8ftのショアパトロールでは使えた波止でも、たった2インチの差で扱いにくく感じてしまいます。
というのも、飛距離は出るけどそれほど投げやすいと感じないロッドなので、背後に余裕がなく無理な姿勢やロッド角度でのキャストを強いられるようなポイントでは使いにくく感じます。
磯での使用もできなくは無いでしょうが、上記の通り強引なパワーファイトで突っ込みを止めるのに適していないので、何を狙うかによっては微妙です。
サーフを始め、背後に余裕のあるポイントで活躍するロッドです。
総評
とても気に入っているロッドです。
ロッドを曲げて粘りのファイトというテイストが、筆者に非常にマッチしていました。
ヒラメやシーバスよりも青物の確率の方が高いというこちらのフィールドとも相性が良かったです。
ブランジーノが大物狙いのシリーズだというのは、嘘偽りなくメーカーの言う通りだと思いますw
粘りのあるブランクスなのに、ダルさや重さがなく高弾性でシャキッと軽いロッドに仕上がっています。
ロッドを曲げ込んでから真価を発揮するので、ファイト時は安心感がありますw
20g~30gのルアーがメインで、ヒラメやシーバス、青物など、サーフから何でも狙いの方には特におすすめです。
現在はモデルチェンジをしてモアザンブランジーノEX AGSに生まれ変わりました。